2022 .4.11

【国際ロボット展レポート】注目のバッテリーレスABSエンコーダやMACの新製品をいち早くご紹介!

今回は、3月9日から12日までの4日間、東京ビッグサイトで開催された「2022国際ロボット展」において、弊社が出展した展示内容についてレポートしましょう【★写真1】。

 

【写真1】約3年ぶりの開催となった「2022国際ロボット展」。ケーメックスONEのブースではロボットやAGVに欠かせない最新部材を多数ご紹介しました。

 

小型ステッピングモータ+バッテリーレスABSエンコーダのデモ!

まずは今回の目玉となるPOSITALのエンコーダをご紹介します。これは以前、本コラムでもご紹介したシナノケンシ様のステッピングモータ・ASPINAシリーズに、弊社が扱っているPOSITALのバッテリーレス磁気式アブソリュート(ABS)エンコーダを組み合わせたデモです。

 

ここでは□28mmの小型ステッピングモータに、φ22mmの小型エンコーダを取り付けています【★写真2】。ステッピングモータは1軸リニアスライダーと連結され、RUNボタンを押すと、エンコーダ情報をもとに決められた区間(ここでは0⇔10の目盛)を往復運動するようにプログラムされています。

 

【★写真2】1軸リニアスライダーと連結されたシナノケンシの小型ステッピングモータ+POSITALのアブソリュートエンコーダ。

 

ここでパワースイッチを一度オフにして電源を突然切ります。次に電源を復帰させ、RUNボタンを押すと、再び決められた同じ区間(0⇔10)を往復します。エンコーダがアブソリュート型であるため、原点復帰する必要もなく、同じ位置動作を再現できます。

 

今度は無給電状態にしたまま、リニアスライダーを少し移動させ(目盛13まで)、そこから電源をオンにして、RUNボタンを押すとどうなるでしょうか? こちらでも再び決められた同じ区間(0⇔10の目盛)を往復します。POSITALのエンコーダはバッテリーレスですが、ハーベストエナジーテクノロジーにより、バッテリー付きエンコーダと同様に、絶対位置を記憶しており、既定の位置で動作制御が行えるのです【★動画1】。

 


【★動画1】POSITALのアブソリュートエンコーダのメリットをわかりやすくご覧いただけるデモ。突然電源が切れても原点復帰することなく、元の位置から制御が可能。また電源なしでエンコーダのデータを保持できていることも分かる。

 

POSITALのエンコーダはバッテリーを利用しないため、ロボットやシステムに込み込んだとき、メンテナンスが不要になるという点が大きなメリットでしょう。

 

I/Fがてんこ盛り! コンパクトなケーメックスONE謹製のIPCが登場

つづいては弊社オリジナルのIPCをご覧いただきたいと思います。本コラムで以前、レガシーOSに対応する「STD-XP」をご紹介しましたが、今回新たにWindows10 IoTを搭載した「STD-2」をご用意しました。

 

このIPCの特徴は、数多くのインターフェース(I/F)が付いているにもかかわらず、外形180×125×70mmと大変コンパクトなことです。またSTD-2は、DIOが搭載されている点も大変ユニークです。DI/DO×各4、あるいはDI/DO×各16(2kV絶縁)の2タイプが用意されています【★写真3】。

 

【★写真3】外形180×125×70mmとコンパクトなケーメックスONE独自のIPC「STD-2」。手前の100円玉と比べるとサイズ感がわかる。フロントにDI/DO×各16も付いているユニークなタイプだ。

 

ほかのI/Fとしては、USB3.0/2.0×4、シリアル×4(RS-232c/422/485)またはシリアル×3(RS-232c/422/485)+CAN(CANOpen/J1939)×1(オプション)、LANとしてGbE×3あるいはPoE×2+GbE×1、映像出力としてHDMI×1、VDI×1、そのほかMini PCIeバスなど、てんこ盛りの豪華仕様になっています【★写真4】。

 

 

【★写真4】その他のI/F。シリアルI/Fは3ポートで、RS-232c/422/485に加え、オプションでCAN(CANOpen/J1939)の1ポート選べる。またLANはGbE×3、またはPoE×2+GbE×1を用意。

 

基本仕様は、Intel Atom x7-E3950プロセッサと最大8GBのメモリを搭載し、オンボードストレージは64GB、最大512GBを拡張できます。また動作範囲がー40~+70℃と広く、過酷な環境でも利用できます。

 

ODUのMACコネクタの新製品はAMRに最適

もう1つ新製品として注目を浴びていたのはODUのMACコネクタ(Silver-Line)の新製品「P4+FRAME」です【★写真5】。

 

【★写真5】ODUのMACコネクタ(Silver-Line)の新製品「P4+FRAME」。頑強なガイドピンと円錐ソケットがあり、着脱時に誤差を吸収して確実に勘合できる。

 

このコネクタには、頑強なガイドピンと円錐ソケットが採用されており、自動脱着時に大きな位置ズレがあっても誤差を吸収して確実に勘合できるという特徴があります。許容誤差は軸方向1.0mm、半径方向±4mmとなっており、着脱回数は最低10万回を保証。

 

堅牢で耐久性があり、寿命試験(耐久試験)やドッキングアプリケーションに適しています。すでに新しく開発中のAGV(AMR)のドッキング用充電I/Fに試験的に導入いただいているAGVメーカー様もいらっしゃいます。
こちらのご担当者様によると、「開発中のAGV(AMR)は、バッテリーを切らさないように小まめに充電を繰り返すため、頻繁な充電ドッキングにも耐えられるようなコネクタを検討しています」とおっしゃっていました。まさにODU-MACの得意とする、10万回を保証する着脱回数が決め手となっているようです。AGVの開発に関わる方にぜひご紹介したい製品となっています!詳細はぜひ弊社担当者までお問い合わせください。

 

コラムで取り上げた製品はこちら

 

POSITAL FRABA
バッテリーレス
ABSロータリーエンコーダ
ケーメックスONE
産業用PC標準機
STD-2
モジュールタイプ
自動着脱コネクタ

ODU MAC Silver-line