2026 .2.3

小型ながら高密度、信頼性の高い接続を実現するプッシュロック式モジュラーコネクタ

 

モジュラーコネクタの定番、ODU-MAC®シリーズでは、プラグとレセプタクルの固定はレバー式やスピンドルロック式が一般的ですが、これらの方式は着脱操作の手間やハウジングの大きさなどが懸念事項になることがあります。そこで今回は、同シリーズの製品特性は維持しつつ、簡単な挿抜や小型化を実現した「プッシュロック」式モジュラーコネクタをご紹介します。

 

レバー式/スピンドルロック式とプッシュロック式の違い

コネクタの固定はしっかり確実に行う必要があり、予期せぬ脱落や接触不良を防ぐ意味でもレバーやスピンドルロックによる固定が一般的です。しかし、アプリケーションによっては、下記のような懸念事項が生じることがあります。

 

・脱着操作が面倒

・コネクタハウジングが大きすぎる

・すぐに抜けないことでの事故およびトラブル

 

レバー式コネクタでは、とくにレバー機構やロック機構がプラグ側とレセプタクル側の両方に必要となり、サイズも大きくなりがちで構造も複雑になります【★写真1】。結果としてハーネスキットが大仰になり、装置側にも大きな面積が必要となります。加えて、スピンドルロック式の場合はロック機構であるスピンドルねじによる搭載可能モジュールやケーブルアセンブリの制約が発生します。また、レバー操作やスピンドルロックを回すためのクリアランス(空間)も必要となり、設置場所や配線方法の制約事項にもなります。さらに、トラブルが発生した際にコネクタが抜けないことが思わぬ事故やトラブルにつながることもあります。レバー式やスピンドルロック式は、確実な固定が必要な場面や、多数の電源線や信号線の接続に大きなメリットをもたらしますが、その一方で、少数の系統を接続する複合コネクタは、小型化や、短時間での挿抜、コネクタの密集化が重要であり、この場合はレバー式やスピンドルロック式のロック機構は最適とは言えません。

 

【★写真1】レバー式コネクタ例:ハウジングサイズが大きくなり、レバー操作のためのクリアランスも必要

 

一方のプッシュロック式は、ODUの小型丸型コネクタに採用されてきたプッシュプル構造をMACコネクタ用に改良したもので、プラグとレセプタクルを差し込んだ際にロックがかかり、逆にプラグハウジングを指で引くとロックが解除されます。基本構造は同じコンセプトですが、丸型コネクタよりも大型かつ重量があるため、それに耐えられるよう改良されています。勘合時にケーブルを引っ張っても、内部のロッキングフィンガー(爪)が溝に食い込むため、コネクタが抜け落ちず、安心してご利用いただけます【★写真2】

 

【★写真2】プッシュロック式モジュラーコネクタ

 

ODU-MAC®シリーズと同等の信頼性と製品特性

プッシュロック式のMACシリーズは、プラグの固定機構が違うだけで、コンタクト部分の考え方はBlue-LineSilver-Line、Power Connectorと同じです。ハウジング内のモジュールは、信号線用のモジュール、電源用のパワーモジュール、流体/圧縮空気用モジュールなどがあり、もちろん、モジュールを組み合わせた構成も可能です【★写真3】。

 

【★写真3】コネクタユニットは任意の組み合わせが可能

 

プッシュロック式のMACシリーズはモジュールを7ユニット搭載できます。モジュールによりユニット数が異なりますが、信号線用モジュールの場合、10ピンのモジュールは1ユニットなので、これを使用すると最大で70ピンまで設定することができます。電源モジュールは最大2,500V、225Aまでの容量をカバーしています。例えば5ユニット分で電源用モジュールを配置し、残りの2ユニットで20ピンの信号モジュールを配置するようなコネクタ設計も可能です。コネクタタイプは、機器側のレセプタクル、ケーブル側のプラグ、そしてケーブルを中継するインラインレセプタクルの3タイプあり、用途や要件によって形状、ピン数などを指定することができます。また、仕様に合わせたケーブルアセンブリにも対応しています。挿抜回数の耐久試験も5,000回まで保証しています。過激な振動には弱いものの、一般的な産業用機器であれば問題なく使用可能です。また、IP67の防水性能を持ち、-40℃から125℃の幅広い温度範囲で動作します。プッシュロック式のMACシリーズを使用することで、省スペースと信頼性の高い接続を両立することが可能です。

 

どのようなアプリケーションや装置に向いているのか

着脱回数が比較的多く、かつ取り回しが容易なうえ、コネクタをコンパクトにできるので、小型~中型の測定機器に向いています。排気ガス検査、データロガーなどといった車載測定器、装置にも最適です。また、AGVやAMRの制御部に使えば、電源、センサやアクチュエータとの接続をコンパクトに集約することもできます。

 

検査装置や測定機器の高度化、AGV、電動車/自動運転車の開発のニーズの応える製品として、現在、プッシュロック式モジュラーコネクタが注目を集めています。こちらの製品に興味をお持ちの方は、是非弊社までお気軽にお問い合わせください。