産業用イーサネットスイッチとは?what-industrial_ethernet_switch
- イーサネットスイッチは、宛先のMACアドレスを見て必要なポートだけにデータを送る機器。全ポートに垂れ流すハブより効率的
- 産業用は一般用(商用)と違い、耐環境性(温度・振動・粉塵)・二電源バックアップ・リアルタイム通信・セキュリティで優位
- 工場のDX化・オープン化を進めるなら、ネットワーク管理機能を備えた「マネージドスイッチ」への切り替えが将来を見据えた選択
01よく耳にするイーサネットスイッチとはどんなネットワーク機器?
イーサネットスイッチとは、複数のPCや機器間のネットワーク(イーサネット)を構築する際に、効率的な中継機能を果たすスイッチのことです。当初コンピュータネットワークで中継に使われていた装置は「ハブ」でした。ハブ自体は単に中継しかせず、ポートに接続されたすべてのPCや機器に対して、無条件で物理層からデータを再送出していました。
これではデータを送りたい相手以外にも余計なデータを流してしまい、ネットワーク全体に負荷がかかります。そこで1990年代に登場したのがスイッチです。相手先の機器に固有に割り振られている「MACアドレス」を特定し、必要なポートのみに通信データを出力するため、機器間の通信を効率的に行えます。
| ハブ | スイッチ | |
|---|---|---|
| データの送り先 | 全ポートへ無条件に再送出 | MACアドレスを見て必要なポートのみに出力 |
| ネットワーク負荷 | 余計なデータが流れ、トラフィックが増大 | 機器間の通信を効率化し、負荷を抑制 |
| 宛先の判断方法 | 判断しない(物理層で中継のみ) | MACアドレステーブルと比較し転送先ポートを判断 |
02産業用と一般用のイーサネットスイッチの違いはどこにあるのか?
ここまでは一般用(商用)イーサネットスイッチの説明でした。弊社が取り扱っている産業用イーサネットスイッチは、商用の一般的なスイッチとは異なるものです。通信がイーサネットである点は本質的に変わりませんが、産業用製品は機能面と性能面で商用製品より優れています。
たとえば産業用では、さまざまなフィールドバスとの相互接続性、リアルタイム通信性、ネットワークセキュリティ、デバイスの冗長性、本質安全性などの対策が施されています。さらに炭鉱や船舶などの過酷環境に加え、産業環境ではEMI(電磁適合性)や振動・衝撃・腐食、温度・湿度、粉塵・防爆などの特別要件が加わります。違いを表に整理すると次の通りです。
| 一般用(商用)スイッチ | 産業用スイッチ | |
|---|---|---|
| 使用環境 | オフィス等の安定した室内環境を想定 | 温度・湿度・振動・衝撃・腐食・粉塵・防爆など過酷環境の特別要件に対応 |
| EMI(電磁適合性) | 一般的なオフィス環境レベル | 産業環境のノイズを想定した設計 |
| 電源 | 基本的に単電源 | 二電源バックアップが一般的。幅広い動作電圧範囲をカバー |
| 通信機能 | 標準的なイーサネット通信 | フィールドバスとの相互接続性・リアルタイム通信性・冗長性 |
| 取り付け方法 | 据え置きが中心 | DINレール取付・ラック取付に対応 |

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DINレール取付・広い動作温度範囲に対応した産業用イーサネットスイッチの定番。小規模ならアンマネージド、管理・冗長化が必要ならマネージドタイプを選べます。PoE対応モデルならカメラ・無線APへの給電も1本のLANケーブルで完結します。
03製造業のDX化を左右する! 産業用イーサネットスイッチの種類とは?
産業用イーサネットスイッチは、大別すると「アンマネージドスイッチ」と「マネージドスイッチ」の2種類があります。現在、日本の製造業の現場では安価なアンマネージドスイッチが多く使われています。しかし鉄道や電力などのインフラネットワークでは、機能面やセキュリティ面を考慮してマネージドスイッチが使用されています。
アンマネージドスイッチは従来のスイッチと同様の機能を持ちます。安価でプラグ&プレイで手軽に動作し、接続機器のMACアドレスを自動管理できるため、「単に機器同士を接続できれば良い・安価に済ませたい」というニーズに合っています。一方、高品質・高信頼性のネットワークや高度な制御が求められる産業分野では、マネージドスイッチが必要不可欠になります。
| アンマネージドスイッチ | マネージドスイッチ | |
|---|---|---|
| 価格 | 安価 | アンマネージドより高額 |
| 導入のしやすさ | プラグ&プレイで手軽に動作 | 管理・設定が必要(RS-232・Webブラウザ・専用ソフトで設定可能) |
| 管理機能 | 非対応 | QoS設定・VLAN設定・リンクアグリゲーション設定などに対応 |
| 冗長化 | 非対応 | ループ阻止・冗長化プロトコル・リングトポロジー対応でシステムダウンを防止 |
| セキュリティ対策 | 非対応 | アクセスコントロール・DoS攻撃防御・フィルタリング機能など |
| トラブル時の分析 | 非対応 | SNMP・SYSLOG・ポートミラーリング対応 |
04ここを抑えたい! 産業用イーサネットスイッチの選び方のポイント
産業用イーサネットスイッチの種類と機能を理解できたところで、具体的な製品選びをどうするか?という話になります。一般的な選定条件として、以下の5つの要件を考慮するとよいでしょう。
- 必要なポート数が装備されているか? 接続可能なデバイス数で決定。1台で2~64ポートを収容できる製品が一般的。スタック機能でポート数を増やせる製品も。
- 必要なパフォーマンス(高速性)が確保できるか? イントラネットは10M/100Mbps、重いファイル転送は1000Mbps(GbE)、最新ネットワークなら10Gbps。長距離・大容量には約100Gbps対応の光ファイバーも。
- 信頼性(冗長機能)が確保されているか? 冗長化プロトコル・リングトポロジー対応でシステムダウンを防止。
- セキュリティ面で安全性が担保できるか? 工場のオープン化・インターネット接続が進むほどセキュリティ対策は必須に。
- 耐環境性は大丈夫か? 堅牢性、防塵・防爆、IP規格対応など、設置環境の要件を確認。
閉じられていた工場のレガシーシステムから脱却し、オープン化を進めてインターネットへの接続が加わると、セキュリティ対策は必須になります。その際にマネージドスイッチが一役買ってくれます。ネットワーク故障診断でも専用ソフトなどで原因を迅速に特定できます。将来を見据えてマネージドスイッチへの切り替えを視野に入れておくと良いでしょう。

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QoS・VLAN・冗長化プロトコル対応に加え、独自冗長化機能「Turbo Ring」「Turbo Chain」で障害時のネットワークを最速20msで高速復旧。電力・鉄道などのインフラ用途で求められる信頼性を備えています。
05こんなことまでできる! マネージドスイッチの最新動向
工場のスマート化やIoT化、エッジデバイス対応など、これから製造業のDX化はどんどん進んでいきます。そのとき工場システムの根幹を支えるのはネットワークと関連周辺機器です。マネージドスイッチを導入することで、ネットワークの信頼性や管理、セキュリティ対策の準備が整います。
弊社で取り扱うMoxaのマネージドイーサネットスイッチは、QoS、VLAN、ポートトランキング(リンクアグリゲーション)などの機能をサポート。さらに独自の冗長化機能「Turbo Ring」と「Turbo Chain」により、ネットワークの高速復旧(最速20ms)と信頼性を格段にアップしています。
また、運用を支える専用ツールも充実しています。
| ツール | できること |
|---|---|
| Mxview One | スマートフォンなどで現場の作業員がいつでもネットワークや機器の状況をモニタリングできる産業用管理ソフトウェア |
| MXconfig | 1回の設定で他の機器も簡単に設定可能なネットワーク構成ツール |
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