2021 .10.7

医療機器に最適!「IEC 60601-1」規格対応の丸形コネクタMINI-SNAP

医療機器の感電保護に求められる規格「IEC 60601-1」とは?

みなさんこんにちは。さて、今回はODUの小型丸形コネクタ・MINI-SNAPの新製品をご紹介したいと思います【★写真1】。今回の新製品が従来のMINI-SNAPと何が違うのかというと、医療規格認証の「IEC60601-1」に対応し、医療機器やシステムへの組み込みが容易になったことです。

 

 

 

【★写真1】小型丸形コネクタ・MINI-SNAP。新たにIEC 60601-1規格に対応したモデル。

 

まずはじめにIEC 60601-1について簡単にご説明したいと思います。この医療規格は、患者/オペレータ(医療従事者)を対象とし、電気機器やシステムが直接対象に触れる医療用途で使う機器の感電事故に対して保護を求めるものです。実際に感電リスクを抑えるために、機器のメーカーは2つの保護手段、「MOPP」(患者への保護)、または「MOOP」(医師や看護師などのオペレータへの保護)を製品に組み込む必要があります。この2つの保護レベルをクリアするためには、別々に2つの絶縁保護手段を組み込むか、あるいは1つの保護手段を二重化させて実装しなければなりません【★写真2】。

 

 

【★写真2】IEC 60601-1規格に関する保護手段の分類。全部で4つの保護手段があり、このうち最も厳しいレベルが「2MOPP」となる。

 

 

そのため、まず機器メーカーは、リスク管理として電気ショックやEMI/EMCなどすべての側面から安全性を調査し、その結果を詳細に文書化する工程が不可欠となります。つまり、IEC 60601-1取得のための電気機器とシステムの承認プロセスは、非常に複雑で手間がかかるものというのが業界の共通認識となっているのです。

メーカーとしては、製品ごとにこのような時間のかかるプロセスをすべて対応するのは大変です。そこで、リスク管理を少しでも簡略化するために、あらかじめ部品のサプライヤーからIEC 60601-1に準拠した電子部品の供給を受けることで承認プロセスを大幅に短縮し、自社の製品開発や設計にリソースを割くことで、コストも削減しようという動きが活発になっています【★動画1】。

 

【★動画1】IEC60601-1に適合するODUのコネクタについて解説。

 

IEC 60601-1についてさらに詳しい内容を知りたい方は、ODUによるホワイトペーパーをダウンロードしてご確認ください。無料でダウンロードが可能です。

 

 

 

沿面距離8mm以上の2MOPP取得を取得したODU MINI-SNAP

話を元に戻すと、ODU MINI-SNAPは、このIEC 60601-1に準拠し、「2MOPP」に認定されていますので、メーカー側から見ても安心して機器への組み込みが可能です。ちなみに2MOPPとは、患者側を電気的に2重絶縁によって保護する最も厳しい保護レべルです。認定されるためには、コネクタの「沿面距離」(Creepage distance)が構造上で8mm以上をクリアしていることが条件になります。この沿面距離とは、導電性部品間、または導電性部品と機器の導電性結合部、筐体表面などの距離を示し、「絶縁物の表面に沿って測定した最短距離」と定義されます。
こちら少しわかりづらいので、すでに規格取得済の「ODU MEDI-SNAP」を例にご説明します。

写真3はプラグとレセプタクルを勘合したときの断面図です。このオレンジ色の部分が沿面距離になります。この部分が8mm以上になるようにインシュレータ部の設計を変更しているのです。

 

【★写真3】プラグとレセプタクル勘合時の沿面距離の一例。沿面距離は、絶縁物の表面に沿って測定した最短距離で、オレンジ色の部分が該当。

 

 

最後に医療用に最適なODU MINI-SNAPの新製品について特徴をまとめておきましょう。
・一部の製品はIEC 60601-1の2MOPPに対応しているので、医療機器への組み込みが容易
・防水性 IP68

ぜひ、医療機器などの組み込み用としてODU MINI-SNAPをご検討いただければ幸いです。出荷時期などの詳細については、弊社営業までお問合せください。

 

コラムで取り上げた製品についてはこちら

製品 ODU MINI-SNAP IEC-60601-1準拠モデル