2021 .10.22

AGVの無線運用を最適化する4つのヒント

 

新型コロナウイルスのパンデミックが与える影響が主な要因となり、世界の産業界では自動化は不可逆的な傾向となっています。この傾向は企業にとって新しいチャンスであり、挑戦でもあります。eコマースが増加する一方、経済が回復し労働力不足が悪化するにつれ、原材料需要の増加とともに、ロジスティクスへの圧力も高まっています。これらの事象により自動化の必要性は世界的に注目され、AGVシステムの需要を増加させています。無線AGVシステムはコスト削減と機能の向上に貢献し、企業に生産性と効率性の大幅な上昇をもたらします。

 

しかし、管理の複雑さと運用上のダウンタイムのリスクが企業にとっての懸念事項となっています。信頼性に欠ける無線通信はオペレーションを中断させてしまうため、無線AGV導入における最大のネックのひとつです。また、保守サービスはシステムベンダに任されることが多く、コストの増加やダウンタイムの長期化の原因となっています。今回は、AGVシステムの目に見えないネットワーク通信を管理し、懸念を払拭するためのヒントをご紹介します。無線ネットワークを効率的に管理し、問題解決することによって、AGVシステムのアップタイムの最大化、企業の競争力の強化に繋がります。

 

1. ネットワークを可視化し、全体像を把握

目に見えないものを管理することは至難の業です。AGVアプリケーションでは車両が動き回るため、Wi-Fi接続は動的に適応しなければなりません。無線通信の管理上の最大の難問は、目に見えず、かつ様々な要因の影響を受けやすいため、異常の発見が困難な点にあります。例えば、作動中の車両のWi-Fiクライアントが適切にローミングせず、指定されたアクセスポイントに接続できない場合、オペレーションの中断という結果に気付くことはあっても、原因までは分かりません。無線ネットワークの可視化は、無線機器が電磁干渉をはじめとする様々な要因に影響されやすい、厳しい動作環境下での重要なアプリケーションに特に有益です。無線ネットワークの全体像を把握することによって、無線デバイスをリアルタイムで監視し、円滑な運用を確実なものにします。

 

そのため全体像の把握は、ネットワークアーキテクチャと不可視のデバイスの関係性をより理解するのに役立ちます。また、変化が起きた際に自動更新するダイナミックネットワークトポロジを使用すれば、無線接続の最新の状態を一目で確認することができます。集約されたデバイス情報へのアクセスも、無線デバイスの動作を理解し、潜在的な異常を見つけ出すのに有効です。

 

ダイナミックトポロジに表示されるリアルタイムの無線接続の状態

 

2. 問題により速く反応するアラートの設定

予期せぬダウンタイムにも対応する必要があります。早期警戒メカニズムがあれば、ネットワーク上の異常が問題に発展する前に対応できるようになります。ネットワークを一定期間にわたって監視、分析することで、無線性能しきい値を設定できます。例えば、トラフィック負荷が通常のレベルを50%上回るなど、しきい値を超えた場合には、リアルタイムアラートが即座に異常を知らせます。異常が発生した時点で発見することで、運用に影響が出る前に対処する時間を確保することができ、自社で解決できない場合でも、保守プロバイダに助けを求める時間を十分に得られます。

 

3. 過去データを活用し、より迅速なトラブルシューティング

以前であれば、ネットワーク上の難しい問題が発生した場合、まず保守プロバイダに対応を依頼していたでしょう。サポートエンジニアが到着すると、1週間かけて関係するデバイスひとつひとつからイベントログを収集し、時刻補正を行い、問題の再現を試みます。この再現が正確でなかった場合、問題解決までに何度も作業を繰り返すことになり、多大な時間と費用を費やすことになります。

 

優れたネットワーク可視化ソフトウェアはネットワークの状態を表示するだけでなく、過去のネットワークパフォーマンスを把握することができるため、トラブル解決作業により集中することができます。問題のあるデバイスの履歴を見直すことで、より簡単に問題を特定し、原因を分析し、問題を根本から解決できるようになります。過去のネットワークとデバイスデータを利用することで、個々のデバイスログを収集・検証する必要がなく、トラブル解決作業の効率を大幅に改善することができます。

 

4. 最適なツールの使用

どんなに優れたツールであっても、複雑すぎたり使いにくければ、使用を止めてしまう可能性があります。ネットワーク管理ソフトウェアの多くはITエンジニア用に設計され、OTエンジニアには利用しづらいものです。直感的なユーザーインターフェースで必要な情報を明確に提供する、適切なソフトウェアが重要となります。例えば、無人搬送車は、施設中に設置された異なるアクセスポイント間を定期的にローミングしているため、施設のフロアマップにネットワークトポロジを重ねられるネットワーク管理ソフトウェアがあれば、クライアントの無線接続を確認するだけで車両を簡単に発見できます。これは機能不良のクライアントデバイスを特定する際、大幅な時間の短縮に役立ちます。

 

施設のフロアマップにネットワークトポロジを重ねれば、デバイスの位置が一目瞭然

 

無線AGVネットワークの可視化と管理

AGV設備を運用するにあたり、直感的なネットワーク管理と可視化ソフトウェアが、信頼性の高い無線ネットワークを管理・維持し、アップタイムを最大化する鍵となります。ダイナミックトポロジ、ローミング再生、デバイスパフォーマンスダッシュボードといった機能を備えたMoxaのMXview用無線アドオンモジュールは、無線AGVアプリケーションの最適化に貢献します。詳細についてご興味のある方は、弊社営業までお問い合わせください。

 

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製品 産業用ネットワーク管理ソフトウェア
MXview