2023 .12.11

ウィーガンド技術によるIoTや新世代バッテリーレスエンコーダ及び特殊キーボードを出展!~2023国際ロボット展速報レポート

アフターコロナからの本格的な開催となった世界最大規模の「2023国際ロボット展」。今年は過去最高となる654社、3,508ブースが出展し、産業用からサービス用まで最新ロボットが一堂に会するイベントになりました。ケーメックスONEも目玉となる複数の新製品を出展しましたので、その主な内容についてレポートします【★写真1】。

 

【★写真1】出展社数が過去最高となった今年の国際ロボット展。当社のブースもひっきりなしに来場者が訪れた。

 

エナジーハーベストのコアとなるウィーガンドセンサがバージョンアップ!

今回、出展品の見どころの1つはドイツのセンサブランドPOSITALのエナジーハーベスト関連の製品です。以前のコラムでも紹介したように、同社のアブソリュートエンコーダは自己発電機能を備えており、バッテリーレスで絶対位置を記憶することが可能です。

 

この中核を担うデバイスが「ウィーガンドセンサ」です。今回、新たに発表されたセンサは、出力エネルギーが従来の140nJから170nJとなり、20%以上も高くなりました。また生産工程も完全自動化され、いよいよ量産体制が整い、より安定した品質で皆様にお届けできるようになりました【★写真2】。

 

【★写真2】POSITALのバッテリーレスエンコーダに使われているウィーガンドセンサは15年の実績がある。

 

また、これまでウィーガンドセンサから発生したパルスをカウントするチップは、既製品のカウントICを使用していましたが、POSITALが自社で一から独自で設計し、マルチターン向けのASIC(特定用途向け集積回路)として提供できるようになりました。これにより、ウィーガンドセンサ1個の構成に最も適したカウントIC「EHL」(Energy Harvesting Logic)として、ベストマッチングのペアコンポーネントに生まれ変わり、価格も抑えることが可能になりました。本製品は2023年4Qから同社のエンコーダに採用されており、2024年からは外部販売を開始予定です【★写真3】。

 

【★写真3】POSITALバッテリーレスエンコーダに最も適したカウントIC「EHL」(Energy Harvesting Logic)も登場。

 

ウィーガンド技術の応用分野は、エンコーダだけではありません。同社では、IoT用の自己発電型ワイヤレスデバイスを開発するためのテストキット「UBITO-WINK」(WIEGAND IoT NODE KIT)も発売しており、そのデモも実施しました。これはマグネットが取り付けられた窓の開閉動作によってウィーガンドハーベスタに発生したパルス電圧を使用して、送信機の電源供給と同時に窓の状態と部屋の温度等のデータを少し離れた(最大60m)受信機に伝送できることを模したものです【★写真4】。

 

【★写真4】自己発電型ワイヤレスデバイス開発用テストキット「UBITO-WINK」。エナジーハーベストを活用したアプリケーションのアイデアはまだまだ無限大。

 

UBITO-WINKに関する資料をご用意しておりますので、ご興味をお持ちいただけましたらこちらよりダウンロードしてご覧ください。

 

全高が大幅に低くなり、モータに取り付けやすくなったアブソリュートエンコーダ

もう1つの新製品は、外径36mm中実軸バッテリーレスアブソリュートエンコーダです。従来品の機能を継承した完全互換品で、全高(全長)が23.4mmから19.3mmと4mmも短く設計されています【★写真5】。モータにエンコーダを取り付ける際に、これまでシステムの制約から長さがネックになっていたお客様でもご利用できる長さになりました。

 

【★写真5】全高(全長)が23.4mmから19.3mmと4mmも短くなった外径36mm中実軸バッテリーレスアブソリュートエンコーダ。

 

またセンサ自体も、トンネル磁気抵抗効果(TMR効果)を応用した磁気センサ素子を採用しています。このTMRセンサは、従来のホール素子より「温度変化による影響を受けにくい」「磁気感度が非常に高い」「抵抗値が高い」という大きな特徴があります。これらを活かして、低消費電力で高精度な磁気センサICを実現できます。分解能も17ビットから18ビットに向上しました。

 

機構的にも改良が加えられています。新しいエンコーダは防塵カバー付きの基板がトップシールドに内蔵保護され、シールド性が大幅に向上しました。取付けネジも4本から2本に簡素化され、セッティングが容易になりました。

 

SIL2認証の低コストバッテリーレスマルチターンエンコーダ!

3つ目の新製品は、低分解のアプリケーションに適した低コスト「DMCマルチターンエンコーダ」です【★写真6】。最大マルチターンは200回転(8ビット以下)、対応回転速度100rpmで、たとえば倉庫内のシャッターや農業機械のアーム、クレーンのアウトリガーの制御など、それほど精度が必要なく、測定範囲の少ない用途において、リーズナブルな価格の製品として利用するのにおすすめです。

 

【★写真6】倉庫内のシャッターや農業機械のアームなど、低分解能で済む用途に適した「DMCマルチターンエンコーダ」。

 

また、SIL2(Safety Integrity Level2)の認証を取っている点も大きな特徴です。この規格は安全度水準において、システム安全性能を示す尺度になります。規格には低頻度作業、または高頻度作業要求(連続運転)モードがあり、機能失敗尺度を定量的に評価した4段階に分類されています。SIL2は2番目のレベルで、最も安全性が高いのがSIL4です。ちなみにSIL2の機能失敗平均確率は10の7乗以上、10の6乗未満となっており、ロボットやAGVなど海外向けの自動化製品に対してはこのSILへの対応が求められています。

 

本製品は来年の1Qに試作品が提供される予定です。また「内径35mmの中空軸バージョン」の発売も検討されています。

 

過酷環境で使える産業用や、衛生重視の医療用の特殊キーボードも

このほかドイツのGETT社の特殊用途向けのキーボードにも注目が集まっていました。同社のキーボードは、高品質な生産管理体制を徹底し、少量でもフルカスタマイズが可能で、柔軟な対応ができる点が特徴になっています。今回、主なキーボードとしてご紹介したのは、過酷な環境下で使用される産業用キーボードと、衛生状態の維持が求められる医療用キーボードの2タイプです。

 

医療向けで、まるごと洗えるタッチパッド付きのキーボード「KSI-U10210」とマウス「MSI-U10050」は、いずれもシリコン材質で、完全防水のIP68保護に準拠しています【★写真7】。製品機能に影響を与えることなく、一般的な中性洗剤で洗浄したり、アルコール消毒することが可能です。簡単にお手入れできるので、感染症対策、ウイルス対策にも最適です。

 

【★写真7】完全防水のIP68保護に準拠し、丸洗いが可能なタッチパッド付きのキーボード「KSI-U10210」とマウス「MSI-U10050」。

 

USB端子部を水から守るシリコン製カバーもご用意しています。医療機関だけでなく、食品工場や介護現場など、衛生面を特に注意しなければならないシーンで大活躍します。

 

一方、操作性に優れたトラックボールが付いた産業用キーボード「KPL-U20130」も展示しました。こちらは省スペースで、耐ノイズ性能が高い産業用として利用できます。打鍵回数約500万回をクリアしており、耐久性もお墨付きです【★写真8】。

 

【★写真8】省スペースで、耐ノイズ性能が高く、堅牢な産業用トラックボールも付いたキーボード「KPL-U20130」。

 

GETTはこの他にも、これまで培ってきた技術を活かして、TFTディスプレイやスイッチなどのHMI分野への積極的な製品展開が今後進んでいく予定です。詳細については随時ご紹介していきます。ご期待ください。

 

コラムで紹介されている製品はこちら

磁気パルスジェネレータ

UBITO (POSITAL) ウィーガンドセンサ

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ウイルス対策 IP68保護 タッチパッド付洗えるシリコンキーボード

GETT CLEANTYPE PRIME TOUCH KSI-U10210

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ウイルス対策 IP68保護 医療向けクリックスクロールマウス

GETT CLEANTYPE MSI-U10050

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