2017 .9.27

【連載11】こっそり教える、エンコーダーの秘儀

外乱に強い! ダイナミックロード補償機能付傾斜計とは?

前回は、システムの傾斜角を正確に測定する工業用傾斜計の「TILTIX 傾斜計」【★写真1】についてご紹介しました。

 

【★写真1】工業用傾斜計の「TILTIX 傾斜計」。ダイナミックロード補償機能付は外乱に強いという特徴がある。

 

この傾斜計の特徴は、機械的な接触なしに、効率のよい傾き測定が簡単に行えることでした。工業用ですから、過酷な環境でも使えるように頑丈な設計になっており、長いブームを載せたクレーンやフォークリフト、無人搬送車(AGV)など、どのような場所でも取り付けられるというメリットがあります。

 

前回も少し触れましたが、傾斜計は、大きく分けて構造によって高精度な液体電池技術とMEMS(Micro Electro Mechanical System)加速度計を採用した2タイプがあります。POSITALの主要TILTIXで使用されているMEMS加速度計の構造は、バネで支えられた小さな質量(マス)が傾いたとき、重力の影響を受け、その動きを検出することで角度を測定する原理です。

 

このタイプのセンサは、前述のように耐環境性に優れ、さまざまなシーンで利用されるのですが、少しだけ弱点があります。それは、あまり外乱に強くないことです。

 

たとえば、傾斜計を取り付けた装置が急激な動きをするような場合、加速度の影響を受けてしまい、測定する傾斜角に誤差を生じてしまうことがあります。 この問題を解決するために、傾斜計にエレクトロ・メカニカルジャイロスコープを内蔵することで、加速度の影響を相殺する仕組みを備えた製品が、今回ご紹介する「ダイナミックロード補償機能付傾斜計」なのです【★写真2】。

 

【★写真2】動きの激しい環境におけるセンサ出力値。従来品と比べて、ダイナミックロード補償機能付は、外乱を受けても出力が安定していることが分かる。

 

ジャイロスコープで検出された加速度は、独自アルゴリズムによって影響を抑えるように内部で補償を行います。これにより建設機械や鉱山用装置、クレーン、農耕機械など、ダイナミックな動きや衝撃・振動が起こる環境でも、正確な傾斜測定が可能になります。

 

この新開発のTILTIX傾斜計は、1軸または2軸タイプから選択できます。外形は小型・ロバストなダイキャスト筐体で、水平あるいは垂直方向に取り付けることができます。温度範囲は-40~85°Cに対応し、保護等級はIP69Kで、最大100gの衝撃まで耐えられます。

 

測定に関しては、分解能0.01°、精度0.3°(稼働時の精度0.5°)、 サイクルタイム5msで、+/-180°の全稼働範囲をカバーしています。またバスイン・バスアウトコネクタ付で、供給電源は10~30V、通信インターフェースにCANopen(profile DS-410)が用意されています。近々のうちにアナログ、SAE-J1939、モードバスインターフェースなどもも提供する予定です。

 

このように被測定物が大きな加速度を受ける場合には、エレクトロ・メカニカル加速度計とジャイロスコープの組み合わせ、正確な測定を可能にするダイナミックロード補償機能付傾斜計がオススメです。ぜひ一度こちらの傾斜計も試していただければと思います。

 

次回は11月末に東京ビッグサイトで開催される「2017国際ロボット展」に出展するPOSITAL製品についてご紹介する予定です。

 

コラムで取り上げた製品についてはこちら

製品 POSITAL FRABA
TILTIX傾斜計
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