2017 .7.31

【連載9】こっそり教える、エンコーダーの秘儀

自動倉庫やAGV、フォーク、クレーンなどに最適! 直線移動量を計測する秘儀

今回は、これまでご紹介してきたPOSITALのエンコーダの応用編として、直線移動量を測定するリニア式エンコーダ「LINARIXドローワイヤセンサ」【★写真1】(以下、ドローワイヤセンサ)についてご紹介しましょう。

【★写真1】豊富な種類からチョイスできるリニア式エンコーダ「LINARIXドローワイヤセンサ」。

このドローワイヤセンサの構造は至ってシンプルです。(ステンレス・スチールワイヤが巻き付けられた)回転ドラムとエンコーダがカップリングを介して連結して作動する構造になっています。これにより、ステンレス・スチールワイヤの直線移動量とエンコーダの回転移動量が結び付けられ、エンコーダの回転量を直線移動量に変換して計測できる仕組みです【★写真2】。

【★写真2】LINARIXドローワイヤセンサの構造。ワイヤ付きの回転ドラムとエンコーダがカップリングを介して連結して作動する構造。

エンコーダは、移動量に比例した信号を出力します。またドローワイヤセンサには、物理的な可働範囲があります。引っ張られたステンレスワイヤを、ドラムに装着されているスプリングが巻き戻し、最初の原点に戻せる機構になっています。

実はこのようなリニア計測は、さまざまな方法によって実現できます。たとえばセンサにポテンショメータを利用したものや、複数のギアを介したリニア測定機器などもあります。しかし、POSITALのドローワイヤセンサは、既存製品よりも高精度で、信頼性・耐久性に優れ、スリップや摩擦の問題もクリアしています。長期間にわたり使用できる点が大きな強みのひとつといえるでしょう。

ではドローワイヤセンサは、具体的にどのようなシーンでよく使われるのでしょうか?

たとえば自動倉庫システムが考えられます。昨今、インダストリー4.0やIoTの流れのなかで、自動倉庫やピッキングシステムはコスト節約の有効な手段となるものです。ここでPOSITALのエンコーダやドローワイヤセンサを使用できます。物品が配置される垂直ラックの保管トレイ位置を検出したり、アームの正確な監視に適しています。

荷物を運ぶフォークリフトや無人搬送車(AGV)、シザーリフト、クレーンでも用いられます。フォークリフトの場合、傾斜や高さを監視することが、安全性を確保するために重要です。ドローワイヤセンサは、フォークの高さの監視に適しています(傾斜については、次回以降でご説明します)。

またクレーンなどの建設機械も安全で信頼性に優れた製品が要求されます。このとき位置決めの正確性は最重要な要素になります。そこでブーム延長用のポジショニングにも頑丈な伸張式ワイヤセンサが使われるのです。

また機械的なオプションや電気的インターフェースにより、巨大な応用施設への導入や既存施設への追加も可能です。

医療検査装置のベッド移動量の測定にもドローワイヤセンサが使われています。たとえば、LINARIXドローワイヤセンサは、CTまたは手術台の水平・垂直方向の移動を決定するソリューションを提供します。少し専門的になりますが、蛍光透視法やX線台、外科用C型アーム、ナビゲーション・モービルC型アームといった装置では、複数方向から位置をモニタリングする必要があります。そこでドローワイヤセンサが最適なソリューションとなるわけです。

ドローワイヤセンサは、機械的な構造や筐体の材質などにより、さまざまな種類を選べます。計測長さ1m~30mまでの幅広い範囲の製品が用意され、デジタル分解能は31μmから81μmまでをラインナップ。エンコーダの種類もインクリメンタル型、あるいはアブソリュート型に対応するほか、両エンコーダでサポートされる多様な通信インターフェースをチョイスできる点も魅力です。

通信インターフェースに関しては、以前のエンコーダでご紹介したとおりです。たとえば、HTL/TTL(デジタル)、アナログ、パラレル、SSI、Profibus、CANopen、SAE J1939、DeviceNet、Interbus、Profinet、EtherNet/IP、Powerlink、EtherCATなど非常に幅広く対応できる点が大きな特徴となっています。これ以外にも、さまざまなオプションがありますので、ご不明な点は弊社営業までお問合せください。

次回は、本文で少し触れたとおり、「傾斜を計測するための秘儀」について詳しくご紹介する予定です。それでは、また。

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