2017 .4.24

【ツボその7】ネットワーク設定の簡素化と障害時の原因を特定

強力な産業用ネットワーク管理パッケージ「MXstudio」

前回は、ネットワーク障害を高速に復旧するための冗長化のテクニックについて学びました。MOXA社の産業用スイッチには「Turbo Ring」や「Turbo Chain」などの冗長化の仕組みが用意されていました。

今回は、インストールから、操作、保守、診断までをカバーする産業用ネットワーク管理パッケージ「MXstudio」についてご紹介しましょう。これは面倒な機器の設定を簡素化したり、万が一ネットワークに何かトラブルが起きたときに、障害の原因を迅速に切り分けて、復旧を支援できるツールです。

MXstudioは、ネットワーク設定ツールの「MXconfig」と、ネットワーク監視ツール「MXview」および、トラブルシューティング用ツール「N-Snap」というアプリケーションで構成されるオールインワンの統合ツールボックスです【★写真1】。これにより、前述のようにネットワークのライフサイクル全体に必要な機能を提供します。では、順に3つのツールについてご説明していきましょう。

【★写真1】MOXAが提供する産業用ネットワーク管理パッケージ「MXstudio」。インストールから、操作、保守、診断までをカバーする3つのツールで構成。

これは便利! ネットワーク機器を一括設定できる「MXconfig」

まず導入時に役立つのがMXconfigです。ネットワークを構築するあたり、同社のスイッチや無線LAN、Remote I/O、ビデオ、デバイスサーバといった製品を一括で設定することが可能です。化粧箱から取り出したネットワーク機器の電源を起動した場合、デフォルト設定でIPアドレスは同一になっていますが、MXconfigでは機器のMACアドレスを認識して、それぞれの設定を一括で行えます。

産業用途では、工場などに多数のスイッチなどの機材が導入されることがあります。そんなとき、1台ずつ機器を設定をしていたのでは、管理者に大きな負担がかかってしまいます。そこで、このMXconfigを利用し、最初の設定だけを行い、あとは他機器に設定データを配信すれば、すべて済んでしまいます。

下記の動画では、50台分のスイッチと25台のワイヤレスAPを導入する際に、従来どおり1台ごとに設定した場合と、MXconfigを活用した一括設定について、その違いを端的に示しています。

ここでの具体的な作業は、個別のIPアドレスをアサインし、デフォルトのパスワードを変更するという内容です。MXconfigではIPアドレス割り当てを、最初に指定した末尾を1つずつ増やしながら自動で設定することが可能です。この動画からわかる通り、MXconfigを使用すると、わずか7分半ほどですべての設定が終わっています。しかし従来の設定では、この時点で9台しか設定ができていません。いかに負担を軽減できるか、ご理解いただけるでしょう。

障害時に迅速に原因を特定できる監視ツール「MXview」とトラブルシューティング用の「N-Snap」

次のネットワーク監視ツール、MXviewも強力な機能を持っています。MXviewは、ブラウザベースで、トポロジどおりにネットワーク構成を表示してくれます。もしネットワーク上でリンクが切れていたり、デバイスの電源が落ちていたりすると、その場所を視覚的に色で表示してくれるので便利です。

またVLANグループの表示や、ネットワーク冗長化プロトコルでの各デバイスの役割(ブロックポートとプライマリパスなど)、機器のセキュリティレベルも表示できます。

MXviewは、一般的な「SNMP」(Simple Network Management Protocol)を使用して、ネットワーク機器を監視していますので、MOXA以外のサードパーティ製品でも利用できます。またMXviewには便利な「Event Playback機能」があり、ネットワーク上のイベントを記録し、過去のイベントを再生することが可能です。何かトラブルがあっても、その時点に戻って原因を特定できます。

MXViewは、PCだけでなく、タブレットやスマートフォン用のアプリケーション(iOS、Android用)もあり、現場の作業員がいつでもネットワークや機器の状況をモニタリングし、ステータス状態(Nomal/Warnig/Critical)をチェックできるので大変有用でしょう【★写真2】。

【★写真2】モバイル用の「MXView」。スマートフォンなどで現場の作業員がいつでもネットワークや機器の状況をモニタリングできるので便利。

また現場の各デバイスにQRコードを付けて管理し、スマートフォンからコードをスキャンすれば、そのデバイスの設定状況もチェックが行えます。逆にトポロジ画面のデバイスをクリックすると、デバイスのLEDが点滅し、ロケーションを容易に特定できます。

3つ目のツールであるN-Snapは、何かトラブルが起きたときに、Configやsyslogなどのデータを、Snap Shotに収めてくれるものです。Snap Shotのデータはバックアップできますが、そのデータを落としてMOXAに送れば、トラブルの解析も実施してくれます。

このようにMOXAのネットワーク機器は、導入して終わりというわけではありません。その後の運用・保守まで含めて、利用できる多くのお役立ちツールを用意している点が、お客様から支持される理由といえるでしょう。ちなみに、MXstudioは無料で使えます(ただし、MXviewは20ノード以上から有料)。MOXA製品をご導入の際は、ぜひMXstudioを試してみてはいかがでしょうか。

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