2017 .3.31

【ツボその6】障害時にネットワークを高速復旧し信頼性を高める

MOXA独自の冗長化機能「Turbo Ring」と「Turbo Chain」でネットワークの高速復旧

MOXA社のマネージド型イーサネットスイッチは、産業用として信頼性を保証する多くの機能を備えています。たとえば、QoS、IGMPスヌーピング/GMRP、VLAN、ポートトランキング、SNMP V1/V2c/V3、IEEE802.1X、https/SSLなど、インテリジェントなネットワーク管理機能をサポートしています。

今回のテーマは、MOXA社のイーサネットスイッチ製品のなかでも最も大きな特徴の一つである「ネットワークの冗長化に関する機能」について、ご紹介したいと思います。

一般的なネットワーク冗長化に関する技術として「STP」(Spanning Tree Protocol)や、それを改良した「RSTP」(Rapid Spanning Tree Protocol)は広く知られている技術です。

ご存じの読者も多いでしょうが、STPはリング状に構成されたイーサネットにおいて、データトラフィックが永続的にループすることを防ぐプロトコルです。あるポートを自動的にブロッキングし、フレームを送受信しないようにすることで、トラフィックのループを防ぎます。障害発生時には、そのポートをフォワーディングして通信するようにします。その際にSTPでは50秒間以内、RSTPでは数秒以内でネットワークを復旧することが可能です。

これに対してMOXAのスイッチでは、1リング状に250台までのスイッチを構成したときに、20ms以内(100BASE)、50ms以内(GbE以上)で経路を切り替え、高速に復旧できる独自の「Turbo Ring」と呼ばれる機能をサポートしています。

またFA分野では、基幹系のネットワークは他社の一般的な商用スイッチが利用されることが多いのですが、やはり工場などの現場では耐環境性に優れたMOXA社の産業用スイッチが採用されています。

基幹系のネットワークで、あらかじめリングに冗長構成が組まれており、あとから工場現場のネットワークも冗長構成にしたい場合には、拡張型の「Turbo Chain」と呼ばれる独自機能を利用できます。これは簡単に既存ネットワークにアンカー型でリンクすることが可能な機能です。そのため既存ネットワークを再設定する手間もありません。

Turbo Chainの場合も、最大250台のスイッチが接続されたネットワークで20ms以内(100BASE)、50ms以内(GbE以上)と高速に復旧させることが可能です。もちろんTurbo Chainは、前出のTurbo RingやRSTPやSTPといった他の冗長化プロトコルと一緒に使用できます。

切断が絶対に許されないネットワークを構成する際に使える「PRP」と「HSR」

前出のようにネットワークで障害が起き、その際の復旧速度が20ms以内と非常に高速であったとしても困るケースがあります。

たとえば、変電所などでプロセスデータを高頻度にやり取りをする際は、ネットワークが落ちるとシステム動作に深刻な影響を与えたり、現場の作業員を危険にさらすことになります。ミッションクリティカルなシステムやタイムセンシティブなシステムでは、絶対に途切れないネットワークが必要です。

その場合には、PRP/HSR対応MOXAのスイッチ「PTシリーズ」をご利用ください。電力向けの「IEC 62439-3」で規定される「PRP」(Parallel Redundancy Protocol)や、「HSR」(High-availability Seamless Redundancy)を利用することができます。

これらは、単一障害をシームレスで迂回するためのプロトコルです。PRP/HSRは、そもそも障害時にネットワークを切り替えるという概念がないため、実質的に復旧時間ゼロを実現できるのです。

たとえば、PRPは【上記写真上部】(上)のように、並走する2つの独立した同一ネットワークのLAN AとLAN Bに対し、重複するパケットを流すことで、ネットワークの冗長化を実現します。常にどちらかのパケットが流れているため、一方のネットワークが切れても継続して運用できるわけです。またHSRの場合には、【上記写真下部】のようにリングトポロジーに特化した設計になっています。

このようにMOXA社の産業用スイッチは、FA向けの「Turbo Ring」「Turbo Chain」のほかにも、より厳しい電力向けネットワークに求められる冗長性に対応できる仕組みも用意されています。次回はトラブルシューティングを行うために、ネットワークを視覚化するコツについてご紹介する予定です。

single-article