2022 .4.20
レガシーデバイスの寿命を延ばすシリアル接続の見直し
シリアルベースのマシンやデバイスを何十年も使用しビジネスを成長させてきた場合、今後どのくらいの期間使用できるか心配になるかもしれません。今やコンピュータにはシリアルポートは搭載されず、オペレーティングシステム(OS)はより頻繁に更新され多様化しています。さらに、情報を瞬時に入手するため、より多くの企業が資産をオンラインで管理し、応答時間を最小限に抑えビジネスインサイト用のデータを多く作り出すことで、経営者はより効率的にビジネスを行うことができるようになっています。これらは全て接続機能に関連していますが、接続性について考察すると、シリアルポートが標準インターフェースとしてコンピュータに装備されなくなった場合、どのようにシリアルデバイスを最新のシステムに接続すれば良いか?デバイスがイーサネットインターフェースに接続できない場合、どのようにリモートで管理すれば良いか?という2つの疑問が生じます。
生産機械および監視センサはイーサネットインターフェースで最新化され、接続性やデータ収集はより簡単かつ効率的になっています。これは、メリットを得るためには接続性に投資する必要があることを意味しています。しかし、多額の投資は必要ありません。シリアルデバイスの寿命を延ばすことは、感傷的な理由だけでなく、デバイスの機能を強化することで重要な資産を守るという意味もあります。様々なシリアル接続ソリューションによって、シリアルデバイスを未来のネットワークに橋渡しするシンプルかつ手頃なアップグレードができるようになります。このコラムでは、レガシーデバイスと最新システムの間のシリアル接続を実現する際に直面するであろう、3つの主な課題をご紹介します。また、アップグレードを容易にする専門家のアドバイスもご紹介します。
課題1: 今日のコンピュータに装備されているシリアルインターフェースの少なさ
コンピュータは産業用アプリケーションにおいて広く使用され、様々なデバイスとの相互接続を可能 にしています。しかし、最新のコンピュータには接続ポートであるRS-232/422/485インターフェースは殆ど装備されておらず、現場のシリアルデバイスとコントロールセンターの接続が難しくなっています。幸い、この 問題はPCIやPCle、mini-PCleなど、マザーボードの拡張バススロットを利用し、産業用PCのシリアル ポート数を増やすことで解決できます。もしくは、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース が今日のコンピュータやノートパソコンに標準装備されているため、USB to シリアルコンバータもホストコンピュータのポート不足を解決できるオプションと言えます。
課題2: シリアル通信によるリモート監視実現の難しさ
アプリケーションが一定の規模に達すると、シリアルベースの通信がより困難になり、管理の点からリモート通信がより重要になります。近年ではイーサネット通信がリモート監視アプリケーションによく使われています。シリアル to イーサネットコンバータは、シリアルデバイスのイーサネット接続を可能にするコスト効率の高い選択肢です。しかし、シリアル通信データをイーサネットフォーマットへ変換するには、ネットワーク構造やソフトウェアアーキテクチャの互換性が問題になり、簡単には実現できない可能性があります。新しい通信インターフェースおよびデータ解釈を導入するには、TCP/IPベースのネットワークを通してシリアルデバイスにアクセスする仮想COMポートを作成するなど、既存のシリアル通信プログラムを再設計する必要があるかもしれません。Modbus RTUなどのシリアル通信プロトコルをModbus TCPなどのイーサネット通信プロトコルへ変換するには、さらなる労力が必要となります。シリアルデバイスをイーサネットベースのシステムに統合する場合は、通信設定にかかる労力や時間を最小限に抑えるシリアル to イーサネットコンバータをおすすめします。コンバータにお好みのOSに適したドライバーサポートが含まれていることも重要です。
課題3: 可用性が不明確なシリアル接続コンポーネント
様々なソリューションによって重要な資産の寿命を延ばすことができたとしても、長期的に最も重要なのはシリアル接続ソリューションの継続性です。コンポーネントサプライヤーが長期的にシリアル接続ソリューションを提供可能か否かは、シリアルベースの装置の寿命に影響を与えるため、サプライヤーの選択は重要です。また、技術の発展と共に問題も変化するため、状況に適応できる接続ソリューションが必要です。例えば、サイバー攻撃の増加はビジネス活動に影響を与えるため、大きな懸念事項になっています。それ故、サイバーセキュリティはネットワークインターフェースを備えるデバイスにとって、特に重要な機能となっています。可用性および進化を含むシリアル接続ソリューションへ長期投資することで、ビジネスやアプリケーションが長期に渡り機能するという安心感を得ることがきます。
シリアル接続ソリューションにおける信頼できるパートナー
Moxaのシリアル接続ソリューションは、シリアルデバイス接続を容易に有効にし、上記のようなシリアル接続の課題の解決に貢献します。Moxaのシリアル接続の製品ポートフォリオには、マルチポートシリアルボードやUSB to シリアルコンバータ、シリアルデバイスサーバ、シリアル to イーサネットプロトコルゲートウェイなど、シリアルデバイスを最新のシステムに接続する際の様々な要求に対応可能な製品が揃っています。さらに、Windows、macOS、Linuxなど幅広いオペレーティングシステムの最新バージョンに対応し、シリアルデバイスの接続を容易に実現します。Moxaはシリアル接続ソリューションを30年以上提供しており、将来的にも有効なソリューションをお届けすることをお約束します。
Moxaのソリューションについてご興味のある方は、弊社営業担当までお気軽にお問い合わせください。
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