2023 .11.2

AxiomtekのAMR構築用パッケージで、自社工場にマッチしたAMRを迅速に導入!

工場内で荷物を高速搬送するAGVは、磁気テープやワイヤーなどのガイドに従って、固定ルートを走行する無人搬送車です。最近では、このAGVをより高機能化し、レイアウト変更への対応や、カメラで障害物を回避しながら自律走行するAMRが導入され始めています。ケーメックスONEでは、台湾の高品質産業用PCメーカーAxiomtekのAMR構築用パッケージを取り扱っています。今回は、このパッケージの内容とデモをご紹介します。

 

AMRシステムに必要なコンポーネントをワンストップで提供

AxiomtekのAMR構築用パッケージを利用すると、工場内を高速で走り回る自動運転フォークリフトや自律走行ローラなど、高機能なAMRシステムを短期間で構築できます。本パッケージには、堅牢ながらコンパクトな新製品のAMRコントローラ「ROBOX500」、AMR用の各種センサキット、ROS2(Robot Operating System)などのソフトウェアパッケージおよび設計/開発に必要な支援サービスが含まれています【★写真1】。

 

【★写真1】AxiomtekのAMR構築用パッケージ。AMRを素早く構築できる基本的なコンポーネントやサービスが全方位で用意されている。

 

まず、パッケージの中核となるROBOX500は、AMRに特化して設計された産業用PCで、intel®プロセッサの第12世代Core i7(4コア/8スレッド)とAIアクセレーターモジュール用M.2スロットを搭載し、耐震性に優れたビークル用のM12コネクタ(LAN×2、USB3.0×4、電源×1)を採用しています。

 

またフロントI/Oには、ギガビット対応の高速シリアルインターフェースGMSL×4やDIO、RS-485も搭載しています。GMSLは、軸ケーブルやシールド付きツイストペアケーブルで、カメラ映像、音声、制御データを低遅延で伝送することが可能です。また動作温度範囲もー20℃~+70℃に対応し、過酷な環境でも十分に利用できます【★写真2】。

 

【★写真2】AMRコントローラ(IPC)の「ROBOX500」。耐環境性に優れた設計で、フロントI/Oのコネクタ類はM12ネジ式や、高速なGMSLを採用。

 

次にセンサキットは、LiDAR、3Dカメラ、超音波センサ、IMU(慣性計測ユニット)、モータコントローラがあり、関連する耐震ケーブルやLiDAR用ブラケット、モータマウントも利用できます【★写真3】。

 

【★写真3】センサキット。AMRで必要不可欠なLiDAR、や超音波センサ、IMU、各種ケーブル、メカニカル類なども選べる。

 

また、AMR向けDigiHubではベーシックプランとアドバンスプランの2つをご用意しています。ベーシックプランでは、前出のROS2や、自己位置測定と同時に環境地図を作成できるSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)、GMSLカメラや各種センサのソフトウェアをサポートしており、これらの環境をDockerで簡単に構築できます。アドバンスプランではWebベースのマネジメントシステムや、ミシガン大学で開発されたARマーカのAprilTag、高精度位置決め、障害物回避などの機能が追加されています【★写真4】。

 

【★写真4】市場や自社へのAMRの投入を加速するDigiHubには、ベーシックプランとアドバンスプランが用意されている。

 

実際に試しました! リファレンスデザインで、より迅速なAMR構築も

このAMR構築用パッケージを実際にセッティングした様子をご紹介します。基本システムをセッティングすると、簡単に動かすことができました。【★写真5】。今回は、AMRコントローラROBOX500のGMSLインターフェースに、4台の「Intel® RealSense Depth Camera D457」を取り付けています。このD457は、深度(距離)の計測が可能なステレオビジョン深度カメラで、深度センサ×2、RGBセンサ、赤外線投光器を搭載しています【★写真6】【★写真7】【★写真8】。

 

【★写真5】弊社も本パッケージを試してみました。AMRコントローラROBOX500とソニー製のステレオビジョン深度カメラ×4台を接続。

 

【★写真6】AMRコントローラROBOX500を正面から見たところ。コネクタも含めて振動に強い頑強な設計であることが分かる。

 

【★写真7】ステレオビジョン深度カメラ「D457」。USB給電で動作し、深度センサ以外に、RGBセンサ、赤外線投光器を搭載。

 

【★写真8】D457からのカメラ映像。通常の映像とRGBの映像、またモーションモジュールも設定してみた。セッティングは簡単に行える。

 

あとはベースとなる駆動系の台車やモータなどを用意して、システムとしてインテグレートすれば、高性能なAMRが短時間で完成します。実はAxiomtekでは、社内においてリファレンスデザインのAMRとしてペイロード105㎏の「ELLE」を開発しており、そのデモも公開しています【★写真9】。

 

【★写真9】リファレンスデザインのAMR「ELLE」。これを利用すれば、さらに簡単にAMRシステムを導入できるだろう。

 

以下、実際に稼働している映像を示します【★動画1】。このデモでは、ARマーカ AprilTagを利用して指定場所で正確に停止したり、対象物の形状を認識して位置決めしたりと、とても上手く動作していることが分かります。また、狭い通路を、衝突することなくすり抜けていることもご理解いただけるでしょう。

 

【★動画1】リファレンスデザインのAMR ELLEの試行運転の様子。

 

このようにAxiomtekのAMR構築用パッケージを導入することで、自社にマッチしたAMRを低コストで迅速に導入できます。詳細についてご興味をお持ちの方は、ぜひ弊社までお問合せください。

 

コラムで紹介されている製品はこちら

Axiomtek-ROS 2ベースAMRターンキーソリューション AMR開発パッケージ

詳しく見る

パンフレットをダウンロードする

※ダウンロードには会員登録(無料)が必要です。