2019 .11.6
こんなに増えた! FRABA社からPOSITALのバッテリーレスをはじめとしたエンコーダキットの新製品が一挙に登場!
世界最小クラスのバッテリーレス・アブソリュート・エンコーダキットが登場!
ケーメックステックプラスの読者の皆様、お久しぶりです、村松です。
皆様に少しご無沙汰しているあいだに、FRABA社から、POSITALの新しいエンコーダ製品がラインナップに多数加わりましたので、ぜひご紹介したいと思います。
まずこれまでの記事からPOSITALのエンコーダキットシリーズに関しておさらいしましょう。
POSITALのエンコーダは、自己発電が可能な「ウィーガンドワイヤ」の原理によってバッテリーレスで使用することができます。エネルギーを自ら収穫するという意味を込めて、この最大の特徴を同社では「エナジー・ハーベスティング」と呼んでいます。
また、POSITALのエンコーダに関する以前の記事の中で、アクチュエータにダイレクトに組み込めるマルチターン・エンコーダキットについてご説明したのを覚えているでしょうか?
これは完成品ではなく、モジュールとして提供され、メーカーが自社のモータやアクチュエータに組み込むタイプの磁気式アブソリュート型エンコーダです【★写真1】。
→詳しくはこちらの記事をチェック
【★写真1】磁気式アブソリュート型エンコーダキット。
図のようにモータやアクチュエータに自社で組み込むことを前提に提供される。
磁気式は埃などで回転の読み取りに影響されず、頑強で耐環境性に優れた方式です。
このような優れた特長を持つPOSITALのエンコーダキットシリーズは多数のお客様に選ばれております。
このエンコーダキットに、このたび世界最小クラスとなる外径22mmの製品が新しく加わりました【★写真2】。
従来までは外径が35mmの製品のみでしたが、この新製品によって、よりニーズの高い小型モータに対応できるようになっております。
本シリーズは17ビット分解能で、インターフェースはBISS-C、BISS LINE、RS485、SSIに対応します。
【★写真2】新たに追加された世界最小クラスのエンコーダキット。軸径が25mmの小型モータに対応できる。
標準のエンコーダキットでは、マグネット・アッセンブリ・ユニットのモータシャフトへの取付けや、キットエンコーダ・ユニットのモータへの固定など、モータとの機械的な取り合いに苦労される技術者もいらっしゃいます。そこで機械的オプションとしてアクセサリーも準備し、現在使われているインクリメンタル・エンコーダからの切り替えも簡単にできるようになりました。
世界初! バッテリーレスの中空軸アブソリュート・エンコーダ
ロボットや産業用機械の中には、駆動部のモータの軸を中空にして、そこにケーブル類やエアホースなどを通す設計を行う場合があります。ケーブルを外部に引き回す必要がなくなり、機構がよりコンパクトになるからです。
このような設計の時にはエンコーダも中空軸タイプのものが活用されています。
POSITALが今回新しく発売した中空軸アブソリュート・エンコーダは、中空でありながらバッテリーレスとなっています。なんと! これは世界初となる製品です。
【★写真3】バッテリーレスの中空軸対応アブソリュート型エンコーダは世界初。
横から見ると非常にスリムなことが分かる(厚さ18mm)。
このエンコーダは、内径30mm(外径80mm)または50mm(同100mm)、厚さ18mmと非常にスリムな構造です【★写真3】。横から見ると、いかに薄いかご理解いただけるでしょう。分解能は最大19ビットで、インターフェースはBISS-C、SSIに対応しています。今後は他のサイズについても対応されていく予定です。
このPOSITALの中空軸エンコーダがユニークな点は、静電容量式のセンサを採用していることです。【写真4】左側の円盤がシングルターンのロータにあたる部分で、右側がハウジングに固定するステータとなっています。
【★写真4】静電容量式のセンサを採用。写真左のディスクに波型のパターンが配置されている。
一方、アダプタには磁石とウィーガンドワイヤのICが内蔵。
ロータには波型のパターンと磁石が配置され、ステータには回転数を記録するために必要な電気を磁石によって自己発電するウィーガンドセンサとICが内蔵されています。またウィーガンドセンサが周囲の磁気の影響を受けないように周りは鋼板で覆われています。【★写真5】
【★写真5】ウィーガンドセンサを磁気から守るユニークな構造。
高分解能シングルターン・エンコーダへのバッテリーレス・マルチターン機能追加キット
実際にエンコーダを活用されている皆様のなかには、すでに電動モータ用のシングルターン・エンコーダを持っており、それをバッテリーレス・アブソリュート・マルチターンにしたい場合もあるでしょう。そこで、POSITALはマルチターンに対応するバッテリーレス・マルチターン・モジュール基板も用意しています【★写真6】。
【★写真6】モジュール基板のみ提供するマルチターン・エンコーダキットも用意。
バッテリーやギアの不要なエンコーダに変身できる。
これにより、いまお持ちのシングルターン・エンコーダを、バッテリーやギアの不要なマルチターン・エンコーダに変身させることができるのです。最大40ビットの回転数まで計測でき、インターフェースはSPIスレーブ・インターフェイスに対応しています。
光学式インクリメンタル型エンコーダキット
また光学式インクリメンタル型エンコーダキット【★写真7】も用意しています。キットは、アルミニウムハブに取り付けられた光学ディスクと、エンコーダ・モジュールで構成されています。分解能は100~1024ビットをカバーする9種類で、コードディスクから選択することが可能です。小型で簡単に取付けが可能です。
【★写真3】光学式インクリメンタル型エンコーダキット。光ディスク上に刻まれたスリットで分解能(100~1024ビット)が決まる。
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このように、POSITALのエンコーダは日々改良を加えられ、ニーズに合わせてラインナップが充実しつづけています。
これらの画期的な新製品を一挙にご覧いただけるのが、
12月18日(水)から21日(土)の4日間、東京ビッグサイト 青海・西・南ホールで開催される「2019国際ロボット展」(iREX2019)です!
弊社では国際ロボット展にご来場いただける皆様に招待状をご送付しておりますので、お気軽にお申し込みください!
※お申し込みは終了しております※
次回のコラムでは、iREX2019でご覧いただけるPOSITALの展示内容について詳しく紹介する予定です。お楽しみに!