汎用品ではダメ？コネクタだけでなくハーネス品もワンストップで提供するODUの産業用コネクタ

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2025 .1.9

汎用品ではダメ？コネクタだけでなくハーネス品もワンストップで提供するODUの産業用コネクタ

ODUは、ドイツに本拠を置き、ミドルエンド、ハイエンドのコネクタ市場では世界でもトップシェアを誇る産業用コネクタメーカーです。同社の製品は、着脱回数10万回、条件によっては最大100万回を実現できる耐久性と信頼性の高さという特長を持ち、要件ごとに特殊な仕様や性能を必要とする分野のお客様に多く支持されています。特に強いのが医療、計測、軍事の3分野で、同社の売り上げのうち医療機器が33％、計測および検査機器が13％、軍事分野が18％と全体の60％以上を占めています。

ODU製品の特長

ODUは医療機器や検査装置など、比較的限られた専門的な機器に採用されることが多く、ハウジング素材のデザインや使う人の持ちやすさなどもカスタマイズするなど、大量生産で汎用的に使用されるコネクタというよりも、使う側のことを一番に考えたコネクタを提供する点が大きな特長です。また、部品を購入し組み立てているコネクタメーカーが多い中、ODUはコンタクトピンから各種コネクタハウジング、ハーネスまで一括して設計、生産を行うことで製品の高信頼性を実現しており、民生品から軍用装備まで、お客様ごとの仕様や使用環境に最適なコネクタやハーネスを提案できるノウハウを持っています。たとえば、特殊加工を施したコンタクトピンの設計/生産も可能です。耐久性、防食性、防水性についてもさまざまな要件を満たすよう、精密加工機や射出成形、工具や治具の開発なども内製対応しています。また、接点の耐食性や耐久性を高めるため、ハウジングやコンタクトのメッキ処理も自社の工場で行っており、耐食性に優れたTiN（窒化チタン）ニッケルメッキも行えるという強みも持っています。

専用コネクタでも、各部品や部材は標準品や量産品を使って設計、製造できるところは多いですが、ODUはフルカスタムメイドに対応可能です。たとえば、信号線と大容量の電源線が混在するコネクタはもちろん、流体（液体、気体）のコンタクトを同一ハウジングに納める角形コネクタに対する設計技術、製造技術を持っています【★写真1】。

【★写真1】モジュラータイプで接続を組み合わせ可能な角型コネクタODU-MAC® Silver Line

防水性能はIPX8、IPX9Kといった高い防水基準を満たすことが可能で、重機や建機など屋外の過酷な環境で酷使する機器のコネクタやハーネスも手掛けています。作業現場の環境に対応するだけでなく、高圧洗浄機の水圧にも耐えることができます。

ODUのコネクタが活躍するアプリケーション

以上のような特長を持つODUコネクタが使用されているアプリケーションをいくつかご紹介します。MRIは代表例であり、ODUのコネクタはMRI市場のシェア6割を占めています。 MRIは強力な磁場を発生させるため、コンタクトや金属部分に磁性体は利用できません。MRIのケーブル類には専用の設計ノウハウが必要であり、ODUの技術が生きる部分です。他にも工場ラインの自動検査機器、EV充電器、EVの充電レセプタクル、鉄道の電気連結器、チップマウンタなどにも使われています。たとえばテスラの充電ケーブルのコンタクトはODU製で、特殊なスリットの入ったレセプタクルは、同社の技術によってゴミや泥が入らないための工夫が施されています。

計測機器でも屋外利用を想定するものや、工場内の過酷な環境で利用されるものもがあり、使用されるケーブルやコネクタにも高い信頼性が求められることがあります。ODU AMC^®シリーズは、省スペースに優れた丸形コネクタを多く取り揃えていますが、使用温度範囲が-51~125℃と極寒地から高温環境まで耐えることができ、IPX6、IPX9Kという防水性能も備えているため、前記のような過酷な環境にも対応可能です。ODU-AMC^®シリーズには、直径10～18.5mmに最大40ピンも実装できる高密度タイプもあります【★写真2】。

【★写真2】過酷な環境下でも信頼性の高い接続を提供する堅牢な丸型コネクタ ODU-AMC^®シリーズ

たとえば、エージングや製品の検査ラインでは、なるべく大量の製品を同時に検査することが求められます。そのため、製品ひとつずつ検査機に繋いで計測するより、多数の製品およびコンポーネントを自動的に繋ぐことができるコネクタが必要になります。標準インターフェースや製品ごとのプローブやタグを集約できる高密度かつヘビーデューティーなコネクタは、高品質なものづくりに欠かせない存在と言えます。

ハーネスを含めた設計から製造もワンストップ

最後にご紹介したいのが、これらのコネクタ本体技術に加え、ケーブルのアセンブリを含めた「ハーネス加工ソリューション」です。冒頭に設計から製造までをワンストップで手掛けていると述べましたが、これにはケーブルの設計および製造も含まれます。コネクタだけ信頼性が高くてもケーブルが対応する性能、信頼性がなければシステム全体の要件を満たすことはできません。ODUの製品は、ハーネスを含めた耐久性、防水性、耐ノイズ性能を指定することができます。ハーネスまでワンストップで性能保証が得られれば、お客様は全体の仕様を満たすためのインターフェース部品ごとのすり合わせや調整の手間を省くことができます。

また、ODUはプレセールスからアフターサービスまで、しっかりとしたサポートを提供しており、10年、15年と長期に渡りODU製品を採用されているお客様も多くいらっしゃいます。特にケーブルアセンブリの品質保証は特注や専用開発部品のため、故障やメンテナンスもセットでなければ意味がありません。産業用製品としての1年保証はほとんどの製品に適用され、保証期間を過ぎても不具合発生時には検査対応が可能な場合もあります。

今後、建機や重機は無人化やi-Constructionの影響で後付けの電子機器やアクチュエータ、センサのニーズが増え、堅牢で要件に対する柔軟性の高いコネクタの需要が増加すると考えられています。また、食品加工や製造では、従来は清掃の際に精密機械や電子機器、ハーネス類をカバーで囲って水洗いしていたところ、メンテナンス性や衛生管理のために丸洗いができる機器が求められることが増え、防水性に優れるコネクタが必要になると予想されています。このように、上記でご紹介した以外のさまざまなアプリケーションに対応可能ですので、ODUコネクタにご興味をお持ちの方、コネクタに関して課題を抱えていらっしゃる方は、是非一度弊社までお気軽にご相談ください。