2017 .1.30

自動化、段取り変更に役立つコネクタ

過酷な環境下での自動システムに最適なコネクタ「DOCKシリーズ」

今回は自動製造ラインや検査ラインに最適なコネクタシステムについてご紹介します。

工場の自動化により、24時間ずっと稼働できるシステムを構築することは、Industrie4.0のポイントになるところでしょう。

産業用ロボットの場合は、アーム先端部をエンドエフェクタとして、ツールチェンジャーによって工具を自動着脱すれば、様々な作業に対応できるようになります。またNC工作機械やマシニングセンターでも、同様にツールを交換することで、粗削りや仕上げの切削バイトなどを自動で取付けて作業が行えます。

その際の自動化に役立つのが、ODU社の自動着脱コネクタ「DOCKシリーズ」なのです。今回は、このDOCKシリーズを中心に、自動着脱システムのアプリケーションについて、ご紹介したいと思います。

ODU社の自動着脱コネクタ「DOCKシリーズ」。シビアな現場での自動化に耐えられるヘビーデューティ仕様。

DOCKシリーズは、射出成型システムでの金型自動交換や、スパッタが飛ぶような溶接ロボットの自動ツールチェンジャーなど、環境的にかなりシビアな現場で耐えられるヘビーデューティ仕様のコネクタです。振動・衝撃・温度変化などに強く、高信頼性の接触を維持できます。コネクタのハウジングは、堅牢なアルミダイキャストで、嵌合時にはIP65にも対応しています。

高温・多湿な環境の射出成型システムでの金型自動交換における応用事例。

スパッタが飛ぶ溶接ロボットでの自動ツールチェンジャーの応用事例。

もちろん、このDOCKシリーズも前回ご紹介したODU独自の「スプリングワイヤー・コンタクト」が採用されており、10万回以上という驚異的な耐久性を有しています。何度も繰り返される自動着脱に対応できるロングライフ構造なのです。そのため海外では、ベンツやBMWなどの自動車工場でも用いられています。その優秀さはお済みつきですから、安心してご利用いただけます。

DOCKシリーズには、「クランプタイプ」(圧着式)と「ソルダータイプ」(はんだ付け)があります。クリンプ式は、ハウジング径がφ28mm(3/7/31極)、φ38mm(5/7/16極)、φ52mm(7/27極)の種類が用意されています。一方、ソルダー式は、ハウジング径がφ28mm(2~9極+E:アース、10種類)、φ38mm(2~23極+E:アース、10種類)、φ52mm(3~36極+E:アース、14種類)などを揃えています。

接触抵抗が低く、大電流や微小信号の安定した通電が可能で、信号用多極タイプや動力用大電流タイプなどの多彩なバリエーションから、用途に応じて選択できます。また他社のカプラーなどを組み合わせて、電気信号のみならず、流体(エア・水)なども含む自動交換システム(マルチ・ドッキングステーション)も構築できます。詳細については、弊社営業までお問合せください。

多様な検査項目の自動化も可能なMACシリーズ

さて、前出のDOCKシリーズは、大変厳しい環境下で利用できるものでした。一方で、製品の検査工程などでは、クリーンな環境で作業が行われます。たとえば、携帯電話、カーナビ、テレビ、オーディオ機器などの検査を自動化する際にも、コネクタの着脱回数がポイントになってきます。

さまざまな機種ごとに、いろいろなテストを実施する際に、段取りのためにコネクタの配線をいちいち手作業で変えていたのでは生産性が向上しません。そこでコネクタの組み合わせによって、テストの配線パターンを変えて、検査工程を自動化することも可能です。

たとえば、ここでは前回ご紹介したレゴブロックのようなコネクタ「MACシリーズ」を利用した例をご紹介しましょう。

前回の繰り替えしになりますが、MACシリーズは、ベースとなるガイドピン付きのマウントフレームに、ユニット幅が1インチ単位のモジュールを組み合わせて構成できるコネクタシステムです。

詳細については、前回の解説を復習していただきたいのですが、ポイントはMACコネクタがレゴブロックのように柔軟にピン配列を変えられるため、多様な組み合わせの試験を実現できることでしょう。もちろん、独自のスプリングワイヤー・コンタクトであるため、何度でも着脱が可能です。

このようにODU社のコネクタを利用することで、生産性の向上に欠かせない多様なアプリケーションを構築できるのです。ぜひ、貴社の生産システムにご活用ください。