Time-sensitive Network (TSN)とは何か？

HOME技術コラムTime-sensitive Network (TSN)とは何か？

2022 .2.9

製造業のデジタルトランスフォーメーション

製造業における自動化とデータ交換の現在の潮流は、「Industry 4.0」または「Industrial Internet of Things (IIoT) 」とも呼ばれ、デジタル化に支えられています。アナログ信号、音声、画像、テキスト、およびその他の情報をコンピュータで読み取り可能な形式に変換することによって、デジタル化は何十年にもわたって業界を変革してきました。製造業の人々がこれらすべての情報を理解するためには、工場の現場にある多数のセンサーや機器からデータを転送し、人間やマシンが情報に基づいた意思決定をリアルタイムで行えるようにデータを処理する必要があります。

Industry 4.0とIIoT化への道程

Time-sensitive networking (TSN) の出現により、イーサネットネットワークは明確な機能を持ち、これまで多数の専用プロトコルによって分断されていた「自動化の孤島」をまとめることができるようになりました。

混在するプロトコルと規格少ないトポロジで制限を受けるアプリケーションデータアクセスへの困難さ導入コストと保守コストの増加		ベンダーに依存しない相互通信 (同言語) 柔軟なトポロジーで多くの新しいアプリケーションクラウドや現場からデータに直接アクセス保守容易、プラグアンドプロデュースが可能
現在のPurdueモデルにおいて産業の自動化はピラミッド構造を形成しており、特定のレイヤ内の特定のタスクを独立した専用プロトコルによって自動化しています。しかしこのモデルは産業ネットワークに設備的な課題を生んでいます。なぜならばプロトコルは本質的に異なる言語を使用しており、リアルタイム通信が難しいのです。		Time-sensitive networking (TSN) の出現により、イーサネットネットワークは明確な機能を持ち、これまで多数の専用プロトコルによって分断されていた「自動化の孤島」をまとめることができるようになりました。

TSNとは？

TSNは、標準のイーサネットネットワーク上で定時性を有したメッセージングを可能にするための一連の規格です。米国電気電子学会（IEEE）で定義されているように、TSNにはエンドツーエンドの伝送レイテンシ対策として、通信抑制時間枠を設けるためのネットワークトラフィック管理に関する規格が含まれています。したがって、すべてのTSNデバイスは、クロックを相互に同期させ、共通の時間基準を使用して、産業用制御アプリケーションのリアルタイム通信をサポートする必要があります。

時刻の同期

名前が示すように、時間に依存するネットワークは、統合された相互運用可能なインフラ内のすべてのデバイス間で共通の時間基準を確立することに重点を置いており、それが全体的な運用の基盤となっています。

低遅延

このコンポーネントではエンドツーエンドの伝送に通信抑制時間枠を割り当てるという概念を採用することで、ネットワーク上で定時性を有したデータ伝送を保証しています。

超信頼性

定時性を有したワーキング環境をあらゆる側面で実装、維持するために、最適な信頼性とセキュリティを確保するコンポーネントのセットが定義されています。

リソース管理

ネットワークとアプリケーションがより統合され、規模が大きくなると、管理性と可視性を向上させる追加のツールが必要になります。

TSNの有無で見るスマートファクトリーネットワークのシミュレーション

ネットワークが大規模化・複雑化するにつれて、リアルタイム通信はスマートな工場自動化に不可欠です。Time-sensitive Network(TSN)がどのようにして収束型アプリケーションで定時制通信を実現するのかを映像で見てみましょう。

台北国際自動化工業大展2020で紹介したMoxaのスマートファクトリー向けTSNアプリケーション

Moxaは、CLPA(CC-Link協会)に招待され、台北国際自動化工業大展2020で三菱電機株式会社とTSNコンバージドネットワークインフラのデモを行いました。デモキットでは、コントローラ、サーボモータ、I / O、およびカメラを接続し、次世代のオートメーションを定義する統合ネットワークを紹介しています。

SPS2019でパートナーとともに紹介したMoxaのTSNアプリケーション

業界の主要企業との強固な協力関係によって、MoxaのTSNソリューションフレームワークは、集約ネットワーク上の重要なパッケージ伝送とそうではないパッケージ伝送にも対応した統合ネットワークインフラを提供します。
またこの統合ネットワークは、高帯域幅、リアルタイム通信、モーション制御などの高レベルの定時性を必要とするさまざまなアプリケーションにも対応します。
Moxaは、高い柔軟性と持続可能な自動化ネットワークインフラストラクチャをTSNの活用によって容易に構築できる可能性を実証しています。

パートナーとともにTSN開発を推進

MoxaがARC Industry Forum Europe 2021のTSNワークショップに参加

Moxaは ”Time-sensitive Networking (TSN) :What, Why, and Who”というテーマでARC Industrial Forum Europe 2021のワークショップに参加します。ディスカッションパネルでは、HMS Networks GroupのChristian Bergdahl氏、CC-Link Partner Associations–EuropeのJohn Browett氏、MoxaのChih-Hong Lin氏、Mitsubishi ElectricのPiotr Siwek氏、ARC EuropeのFrank Thomas氏を招き、TSNの開発と、Industry 4.0とInternet of Things (IoT) の加速に向けたTSNのメリットについて意見を交換します。

OPC Foundation Field Level Communications (FLC) の初期サポート企業として

MoxaはOPC Foundation Field Level Communications (FLC) Steering Committeeの初期メンバーの一員であり、TSNを含むOPC UAを現場レベルに拡大する取り組みを継続的に支援します。運営委員会では、センサからクラウドまで、OPC UA TSNエコシステムのあらゆる面をカバーしており、自動化ネットワークのための真に統合されたインフラストラクチャを実現します。