2023 .6.26
【CSPI-EXPO】建設・測量生産性向上展レポート~建機や重機にピッタリの傾斜センサ、エンコーダ、産業用PCなどを大紹介!
5月24日から26日の間、幕張メッセにて建機/重機、および測量といった建設DXソリューションが一堂に会した「CSPI-EXPO 建設・測量生産性向上展」が開催されました。巨大な建機や重機、ICTを活用した高度な測定機器などが並ぶなかで、弊社も建機などに搭載するセンサを中心に出展しましたので、本レポートにて速報としてご紹介します【★写真1】。
振動に強く建機や重機に最適!安定出力の補償機能を備えた傾斜センサ
今回の展示は、建機/重機や測量が中心となるため、弊社ではドイツのモーションコントロールと安全保証システム用センサメーカーFRABAのPOSITALブランドの製品をご紹介しました。建機や重機には、傾斜センサやエンコーダといったムーブやバケットの傾きを計測するセンサが用いられます。しかし、過酷な環境にさらされることが多いため、堅牢かつ耐久性に優れた特別仕様の製品が求められます【★写真2】。
そこで真打ち、POSITAL製品の登場です。POSITALの傾斜センサは、システムの傾斜角を正確に測定できる工業用として、外乱に強い点が大きな特徴になります。建機や重機はエンジンやモータからの振動が伝わりやすく、足場の悪い場所で作業するため、通常の傾斜センサだと外乱による加速度の影響を受けて、誤差が生じてしまいます。このように正確な測定がしにくいという課題を解決するために、同社の傾斜センサは「ダイナミックロード補償機能」を搭載しています【★写真3】。
この傾斜センサには「エレクトロメカニカルジャイロスコープ」が内蔵されており、加速度の影響を相殺する仕組みを備えています。検出された加速度は、独自アルゴリズムによって内部で補償を行います。展示では、この補償機能がある/なしの場合で、出力信号がどのように変わるかを比較しました。補償機能付き傾斜センサは、デモのようにブームに横振動を与えても、信号出力が安定していることをご理解いただけるでしょう。このように補償機能の傾斜センサを利用すれば、建機や鉱山機械、クレーン、農耕機械など、衝撃や振動が起こる環境でも、正確な傾斜を測定できるようになります【★写真4】【★写真5】。
この傾斜センサは、2軸タイプで重量が220gと軽量ながら、分解能0.01°、精度±0.3° (稼働時の精度±0.5°)、 サイクルタイム5ms、X-Y軸±90°またはピッチ±85°-ロール±180°をカバーしています。動作温度も―40 ℃~+75 ℃と幅広く、防水性能としてIP68/IP69Kに準拠し、通信インターフェースCANopenに対応しています。この他にも、分解能0.01°、精度±0.10°、IP67に準拠した傾斜センサも展示しました【★写真6】。
IP69Kに対応!耐振動/耐衝撃、耐環境性に優れたバッテリレスエンコーダも
建機や重機に取り付けられるセンサとして、エンコーダも重要な役割を果たします。代表的なのは、回転式エンコーダやリニア式エンコーダです。耐使用環境性に優れ、耐衝撃性および耐振動性も備えています。たとえば、IP69Kに対応し、最大300Nの耐軸荷重を備えた製品もご用意しています。コネクタも防水性能を備えた仕様なので安心してご利用いただけます。
POSITAL製品には、磁気式や光学式の回転式エンコーダがあり、さまざまな種類を取り揃えています。大きな特徴は、なんといってもバッテリレスで使えることです。絶対位置を検出するアブソリュートタイプでは、位置データを保持しておく必要があり、内部メモリに電源を供給するための小型電池を搭載しています。しかし、長期利用すると電池が切れてしまうため、交換しなければなりません。エンコーダを設置した場所によっては、電池交換が難しいことがあります。POSITALの回転式エンコーダはウィーガンドセンサを搭載しており、自己発電により蓄電しているため、バッテリレスでマルチターンの回転データを保持できます。
また、回転式だけでなくリニア式のセンサも展示しました。回転式エンコーダにドローワイヤを取り付けて、ドローワイヤを引っ張った時の回転からリニアの距離を測定する仕組みで、ブームやアウトリガの伸長計測などの用途に便利な製品です【★写真7】。
Axiomtekの多種多彩な産業用PCも出展
産業用PC(以下、IPC)のコーナーでは、衝撃/振動、環境温度に強い台湾のAxiomtekの産業用コンピュータを紹介しました。新製品の「tBOX110」は、CANインターフェース(CANBus2.0 A/B)を2基分搭載した豪華仕様が大きな特徴です。ファンレス仕様で、電源は典型的なモバイルビークル用のDC9~36VまたはDC12/24V、鉄道車両用のDC24~110Vに対応する機種を用意しています。電源オン/オフのスケジューリング機能や車両バッテリ保護機能など、さまざまな電源モードを備えています。なお鉄道車両用は、欧州規格EN45545ー2/EN50155の認定も受けています。使用温度は-40℃~+70℃で、過酷な環境でも使用が可能です【写真8】。
基本スペックの詳細については、Intel Atom E3940プロセッサ、メモリを最大8GBまでアップできるDDR3L-1866(SO-DIMM)×1をサポート。モバイルビークル用ではインターフェースにRS232/422/485×1(シールド付)、GbE×2(RJ-45)、8ビットのプログラマブルDIOなどを搭載しています。一方の鉄道用にはRS232/422/485×1(アイソレーション付)、GbE×2(M12、Aコーディング)、ターミナルブロック4入出力の絶縁DIOを搭載しています。
新製品ではありませんが、車両用向けの「UST200-83H-FL」や、IoTゲートウェイ向けの「UST210-83K-FL」なども展示しました。いずれもDINレール式の小型IPCで、ファンレス仕様、耐環境温度、CANインターフェース、Intel Atom E3930プロセッサを搭載している点は同じですが、UST210-83K-FLGbEはPoEに対応している点が異なっています【★写真9】。
この他、本展示会では、建機/重機向けに高品質なラジオコントロールシステムも出展しました。これらはドイツの産業用ラジオ無線リモコンメーカーのHBC-radiomaticの製品で、25種類もの多彩な送信機をラインナップとして揃え、各国の技適認証を取得しています。さらに、それぞれのお客様のご要求に応じた各種スイッチの構成及びレイアウトが可能で、そのスタイリッシュなデザインも相まって、多くの来場者の興味をひいていました【★写真10】。ご興味のある方は、ぜひ弊社担当までお問い合わせください。
また、弊社のブースの様子はこちらの動画でもご覧いただけます。弊社丸山が製品についてご紹介しております。
コラムで紹介されている製品はこちら
POSITAL FRABA TILTIX 動的傾斜センサ AKSシリーズ アプリケーションノートをダウンロードする |
POSITAL FRABA TILTIX静的傾斜センサ ACSシリーズ |
POSITAL FRABA各種エンコーダ パンフレットをダウンロードする |
Intel Atom®プロセッサ E3940搭載 車載アプリケーション用ファンレスボックスPC tBOX110 データシートをダウンロードする |
車載IoTゲートウェイ向け Intel® Atom® x5-E3930プロセッサ搭載 DINレールファンレス組込みシステム データシートをダウンロードする |
車載IoTゲートウェイ向け Intel® Atom® x5-E3940小型プロセッサ搭載 DINレールファンレス組込みシステム ※ダウンロードには会員登録が必要です。 |