2021 .4.6

マシンビジョンやAIで工場をDX化! 拡張に優れた台湾・Axiomtek社の最新IPCが登場!

エッジAIのマシンとして最適! ハイパフォーマンスな「IPC96x-525シリーズ」

 

いま半導体業界は、世界的なデバイス不足によって、自動車産業などの分野で納期遅れが多発していることは、業界関係者の方々やユーザーの皆様ならご承知のとおりでしょう。そのような状況のなか、世界で半分以上のシェアを持つ台湾のファウンドリーも急ピッチで製造を進めているところです。

さて今回、コラムで取り上げるのは、台湾屈指の産業用PC(以下、IPC)メーカー、Axiomtek社(アクショムテック)の新製品です。Axiomtekは、小型・低発熱なIPCにおいて、特に優秀な製品が多いサプライヤーです。ケーメックスONEも、Axiomtekの優れた製品を数多くお客様にご紹介してきました。
たとえば、本体がIP67に準拠した完全防水のユニークなIPC「eBOX800」や、食品や医療分野などに適するIP66 & IP69K準拠のフル防水型タッチパネルPC「GOT800シリーズ」などはAXIOMTEKの堅牢なIPCを代表する製品ですね。
また、最近Axiomtekでは工場のオートメーション化に向けた高性能なコントローラー「IPC900シリーズ」を発売しています。すでに日本の大手重工メーカーなどに多数のモデルが採用されています。

 

このシリーズにこのたび新製品が加わりました。新製品のIPC96x-525シリーズは、CPUにIntelの第9/8世代Coreプロセッサ(Coffeelake & Coffeelake refresh)と、最大64GBのメモリ用デュアルスロット(DDR4-2666/2400SO-DIMM)を搭載したコンパクトなIPCです【★写真1】。

 

【★写真1】「IPC96x-525シリーズ」。拡張スロットなし/2スロット/4スロットの3タイプがある。
堅牢で動作温度範囲も-10℃~+60℃と広く、過酷な環境で利用できる。

 

IPC96x-525は、マシンビジョン、モーションコントロール、ディープラーニング、自動光学式検査ソリューション(AOI)など、さまざまな産業用途に利用できる柔軟なモジュラー設計を採用しているのも特徴的です。
具体的には、I/Oモジュール×1とPCIe/PCI拡張スロット×2を装備しており、入出力のI/Fカードの取り外しは、前面からのアクセスが可能で使い勝手に優れています。また、画像処理を高速化するNVIDIAの「GeForce GTX1660」や「Tesla T4」を利用することもできます。
さらに、エッジAI関連では、Intelが提供するディープラーニング推論エンジンのライブラリ「Intel OpenVINO」や、NVIDIAの推論アクセラレーター「NVIDIA TensorRT」に対応し、ディープラニングを使用したコンピュータビジョンのアプリケーション開発をサポ―トします。また5G無線通信用のM.2キーBスロットや、NVMeSSD用のM.2キーMスロットも用意されているので、より高速なアクセスも可能にします。

同シリーズには、前出の拡張スロットが2つの「IPC962-525」のほか、拡張スロットが4つ搭載されている「IPC964-525」が用意されていますが、さらに拡張スロットなしのスタンドアローンタイプ「IPC960-525」も新たにラインアップに加わりました。

このIPC960-525は拡張スロットがない分小型で安価ですので、拡張性を多く必要としない場合にオススメです。というのも最近では、M.2キー対応の拡張ボードの種類も増えており、AI関連でOpenVINOもM.2モジュールでカバーできるようになりました。そのため、拡張スロットがなくとも、M.2キースロットがあれば十分というニーズも増えてきています。ダウンサイジング化も可能になりますよ。

 

マシンビジョンなどに最適なさまざまなPCIe拡張カードとI/Oカード

 

続いて、IPC960シリーズなどに利用できるPCIe拡張カードとI/Oカードのバリエーションについてご紹介しましょう【★写真2】。

 

【★写真2】利用可能なPCIe拡張カードとI/Oカードのバリエーション。
10GigEインターフェイス用カード「AX92324」と、マシンビジョン用2chエンコーダーカード「AX92352」は新製品。

 

まずPCIe拡張カードですが、工場ラインのロボットなどに実装するPoE(Power over Ethernet)カメラ用カード「AX92320」や、USB3.0対応カード「AX92321」、マシンビジョンで使うGigEの「AX92322」の後継となる、10GigEインターフェイス用カード「AX92324」を揃えています。

このほかにも、デジタルフィルター付きの32/64ch光絶縁型デジタルI/Oカード「AX92351」や、マシンビジョン用2chエンコーダーカード「AX92352」なども用意されています。各ボードの主なスペックは以下の通りです【★写真3】。

 

【★写真3】PCIe拡張カードとI/Oカードの種類と主な仕様。
IPC96x-525シリーズと組み合わせて、工場の検査ラインに最適な高速・高精度なマシンビジョンシステムを構成できる。

 

なお、AX92352はリアルタイムトリガーに対応し、近接センサーで物体を検出したとき、それをトリガー信号とし、カメラのフラッシュ発光と画像キャプチャが行えるエンコーダーカードになります【★写真4】。

 

【★写真4】ユニークなマシンビジョン用2chエンコーダーカード「AX92352」。外部センサーからのトリガー信号で検査用カメラの同期をとり、フラッシュ投光や画面キャプチャが高速に行える。

 

このような多彩な拡張カードで、使用するシーンに応じたマシンを柔軟に用意できるのもIPCの魅力ですね。

 

最新のIntel Coreプロセッサ搭載IPCはいつ投入される?

 

最後に今ホットな話題をひとつ。Axiomtek社は現在、Intelの第10世代Coreプロセッサ(Comet Lake)を搭載した「IPC974 RA」を開発中で、2021年の第二四半期(6月以降)を目安に、量産を開始する予定です【★写真5】。

 

【★写真5】量産が開始されるIntel の第10世代Coreプロセッサを搭載した「IPC974 RA」。
すでに国内の大手メーカーで採用が決まっており、出荷に向けテスト試験中とのこと。

 

IPC974 RAは、特に耐環境性に優れており、振動する場所でもコネクタが外れることがないように「ロック機構」を採用しています。M.2 KeyB/E/Mや、mPCIeソケットを備え、拡張性が高いのも魅力です。また特筆すべき点は、超高性能な最新グラフィックス カード「RTX3090」をサポートする点です。

さらにメモリでは2.5インチのSSDへ対応するほか、DDR4 U-DIMM×4のソケット(最大128GB)を用意し、大容量メモリを要するようなAIアプリケーションをカバーします。

またAxiomtekでは2022年第二四半期にIntelの第12世代Coreプロセッサ(Alder Lake)を搭載した「IPC960/962/964 RB」を市場に投入する方針です。

 

このように、目まぐるしく性能が進化するPCの世界において、Axiomtekは市場をリードするサプライヤーとして産業界に適した最新の機種を常に開発し続けています。ぜひ新しい製品にも注目していただけるとうれしいです。

次回は、今回ご紹介したIPC900シリーズを導入した企業の成功事例と、さらにAxiomtekの自社工場への適用例についてもご紹介する予定です。ご期待ください。

 

コラムで取り上げた製品についてはこちら

製品 Axiomtek
第9/第8世代 Core i7/i5/i3プロセッサ搭載 2スロットボックスPC
IPC962-525
Axiomtek
第9/第8世代 Core i7/i5/i3プロセッサ搭載 4スロットボックスPC
IPC964-525
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