2018 .8.1

コアな産業用PC探検隊が行く!よいモノだけを世界から(5)

過酷な環境でもお任せあれ! 産業用向けのデータ・コレクション・サーバ

こんにちは。IPC担当の菊池です。前回のインタビューから少し間が空いてしまいましたが、ふたたびIEI IntegrationのHenry Laiさん【★写真1】をお迎えして、同社のIPCについて、ご説明いただきます。

【★写真1】IEI IntegrationのHenry Laiさん。

ーーLaiさん。お久しぶりです。宜しくお願いします。今回、ストレージ系の新製品が発売されたとのことですが……。

Laiさん:はい。今回の新製品は、スマートファクトリーなどの産業用向けデータ・コレクション・サーバ「IBX-660」です【★写真2】。サイズがW180×D247×H59mmとコンパクトな筐体ですが、2.5インチのSATA HDD/SSDベイが4基も用意されており、最大8TBまでリムーバブル・ストレージをフロントパネルから取り付けることができる点が特徴です。

【★写真2】IEIの新製品、データ・コレクション・サーバ「IBX-660」のコンパクトな外観。

このくらいのサイズですと、他社製品では通常は2つのベイが標準なので、いかにIBX-660の拡張性が優れているのかということが、よくわかると思います。もちろんストレージは冗長構成が可能で、RAID 0/1/5/10をサポートしており、何かあっても安心です。

ーーなるほど。そのほかに何かIBX-660の特徴はありますか?

Laiさん:やはり過酷な産業現場で使われるため、振動や衝撃、温度、粉塵などの耐環境性に優れており、構造がタフになっていることでしょう。ファンレス設計で、動作温度は-40℃~50℃と幅広い範囲に対応しています。また、耐振性についてもMIL規格のテストに合格済です。電源系統のコネクタには、振動に強いターミナルブロックを採用しています。電源入力はデュアルで、DC9~36Vをサポートし、盤内のDC電源からも利用できます。

さらにインターフェースの種類も豊富です。GbE×2、USB×4(USB 3.0と2.0×各2)、HDMI×1、オーディオ入出力×各1なども備えています。ほかにLEDインジケータが前面パネルにあり、LANやストレージの稼働状況をモニタリングします。

製品の詳細なご説明については、youtubeに動画をアップしています。英語ですが、是非ご覧ください。

工場ラインから車載、発電所のデータ収集など多種多様な用途に!

ーー主な用途は産業用とのことですが、M2M通信にフォーカスしたIIoT(Industrial Internet of Things)にも使えますか?

Laiさん:そうですね。局所的なIIoTのデータ取集用としても利用いただけます。工場でIBX-660を使う場合は、オプションでDINレールに取り付けられるように、専用アダプタも用意しています。
我々は販売するビジョンカメラをUSBに接続し、工場のラインを検査することもできます。画像系ではパターンマッチングで部品を振り分け、良品/不良品の判定なども可能です。バーコードからデータを読み取って情報を収集する用途に最適ですし、データ分析用サーバにもなります【★写真3】。

【★写真3】IBX-660の様々な用途。IIoTを支えるアプリケーションのデータサーバとして活用できる。

また、環境に優しい代替エネルギー源の1つとして、いま関心が高まっている太陽光発電や風力発電システムでも利用できます。電力の生産や消費情報のプロファイルを作成するために、大量データをIBX-660にストックすることが可能です。

私たちの身近なところでは、すでに監視用途として米国のバス内で使われています。4つの監視用カメラを取り付け、社内の様子を記録用に収集するのです。IBX-660は車載にも対応しており、車両のACC信号を利用して、電源のオン/オフもコントロールできます。

ーー本当に幅広い用途に利用できるのですね。お客様のアプリケーションには、ちょっと無理かな? と思われるようなケースがあるかもしれませんが、そういう場合でも、ぜひ我々にご相談していただければ、全力でサポートさせていただきます。まだIBX-660の用途は広がると思います。ご期待ください!