2018 .4.2

コアな産業用PC探検隊が行く!よいモノだけを世界から(2)

装置のダウンサイズ可能!?耐久性抜群で堅牢なオールインワンパッケージBOX型IPCついに大紹介

こんにちは! コアな産業用PC探検隊の隊長、菊池です。世界から優れた産業用PCを紹介する本連載。いよいよ今回から私がおススメするスゴイ製品を紹介していきましょう。

まずは、台湾大手の老舗メーカーであるIEI IntegrationのIPCからスタートです。同社は、ローエンドからハイエンドまで幅広い製品を取り揃えています。その中から今回ご披露するのは「産業用BOX PC」と呼ばれる分野の製品です。

私の一押しは「TANK-870-Q170」【★写真1】という耐久性が抜群な堅牢モデルです。オールインワンパッケージながら、サイズが小さく、コンパクトに機能がまとまっている点が特徴です。

【★写真1】IEIの産業用BOX PC。耐久性が抜群の堅牢モデル「TANK-870-Q170」。

CPUには、第6/7世代のハイパフォーマンスなクアッドコア「Intel Core i7-6700TE 」(2.4 GHz)や、「Intel Core i5-6500TE」(2.3 GHz)を採用しています。またチップセットは「Intel Q170」を用い、ファンレスPCで高負荷の処理が行えます。CPUが35Wの低消費版であるため、ファンレスで発熱も抑えられています。

TANK-870-Q170は、2スロットと4スロット(PCIまたはPCIe)の2タイプがあり、計4機種をそろえています。いずれもDCアダプタ(入力DC9~36V)で電源を供給する方式のため、電源が筐体スペースを占有することはありません。そのため、各サイズがW121.5×D255.2×H205mm(2スロット)、W154.8×D255.2×H205mm(4スロット)とコンパクトになりました。

インターフェースも豊富です。USB2.0/3.0×各4、イーサネット、RS232×4、RS-232/422/485 (DB-9)×2、8ビット・デジタルI/O、4ビット・デジタル入力のほか、ライン出力やマイク入力といったオーディオ入出力も備えています。

大きな特徴は、IPCでは珍しいRAID機能(RAID 0/1)をサポートしていることです。重要なデータを取り扱う際に安心してご利用いただけます。もともとIPCは、産業用として信頼性を高めるために、多機能にせずにシンプルに構成することが通常の考え方です。そこでRAID機能も搭載していないのです。

しかし、このTANK-870-Q170では万が一のケースに備えて、あえてRAID機能を取り入れています。ドライブベイは、2.5インチSATA×2を用意しています。たとえば1TBのストレージを搭載して、ミラーリングをかけて信頼性を高められるわけです。

これまで4スロットのミドルタワーやラックマウントのシャーシが必要だったIPCが、TANK-870-Q170によって、奥行き255mm、高さ205mmで使えるようになり、装置のダウンサイジングに貢献します。これはお客様にとっても大きな意味を持つでしょう。

また同社のキャプチャーボードなどの拡張カードや、高性能CMOSカメラ「HSC-03M2-O」【★写真2】を使用することで、マシンビジョン用として活用できます。ラインに流れてくる規格外の六角ボトルを検査し、位置調整やラベル印刷、OCR検査などを行っている事例もあります。

【★写真2】軽量で高性能なIEI製のCMOSカメラ「HSC-03M2-O」。752×480ピクセルで、60FPSの映像を録画できる。

装置のダウンサイズ可能!?耐久性抜群で堅牢なオールインワンパッケージBOX型IPCついに大紹介

もうひとつ非常にユニークなIPCをご紹介しましょう。前出の産業用BOX PCの兄弟機にあたるQTS Gatewayの「TANK-860-QGW」【★写真3】です。

【★写真3】TANK-870-Q170の兄弟機、QTS Gatewayの「TANK-860-QGW」。QNAPを採用し、複数OSを走らせることが可能。

外見はTANK-870と似ていますが、実はこのマシンは仮想化OSのもとで、複数のOSを走らせることが可能なIPCなのです! OSには同社のグループであるストレージメーカーが独自開発したOS「QNAP」を採用しています。

このQNAPはLinuxベースです。TANK-860-QGWに備わった6スロットの拡張カードに対し、各OSごとに割り振ることができます。たとえば、拡張カードの1~3までをWindows、拡張カードの4~6までをUbuntuに担当させ、同時に制御できます。

利用シーンとしては、社内のWindows系開発チームと、Linux系開発チームが同時に制御アプリを開発しているような場合に、共通プラットフォームのハードにしたいケースがあります。そういったニーズに応えることが可能になるでしょう。かなりアクレッシブで先進的な使い方ができるIPCなので、ぜひ導入して、いろいろな用途にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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