2017 .11.8

産業用コネクタ市場の動向から予測!今後求められる要素技術とは何か?(その3)

EV化の流れが加速する自動車業界!検査用コネクタなどの需要も拡大

コネクタ市場のトレンドを予想しつつ、数年後に求められる要素技術について考察する第3回目。今回は自動車産業におけるコネクタ市場と技術について考えたいと思います。

近年、自動車業界では、CO2排出を削減するために、想像以上にEV化の流れが加速しています。日本はEVとFCVが主流になっていますが、さらに世界に目を向けてみると、北欧、ドイツ、オランダだけでなく、イギリス、フランス、インド、中国など、続々と内燃機関の禁止を発表しています。特に中国は、2030年までに1900万台のEVを普及させるべく、「中国製造2025」(中国版のIndustrie4.0)と呼ばれる国家的な政策をとっています。

さらに2020年以降になると、各社が現在その開発に熾烈なシノギを削っているコネクテッドカーや自律運転も本格的に登場するでしょう。そうなってくると、従来の自動車の要素技術がガラリと変化してくると思われます。いまでも自動車部品のエレクトロニクス化はかなり進んでいますが、さらにこの傾向は高まるでしょう。

現在、EVは1万点以上の部品が必要と言われています。システムが複雑化するにつれ、「ECU」(Electronic Control Unit)と呼ばれる電子制御ユニットも増えており、100以上のEUC上に、それらを制御する親ECUが搭載され、集中制御されています。制御関連の機能の付与が進むことによって、コネクタのピン数もさらに増加していくとみられます。

さて、このように自動車の電子化が進むなかで、専用コネクタ市場はどうなっていくのでしょうか? まず1台当たりのコネクタ搭載数は増加し、今後も伸びていくでしょう。富士キメラ総研のプレスリリースによると、国内の自動車コネクタは、2020年には1兆7591億円の規模になると予測されています。

次世代自動車のトレンドとして、EVの充電スタンドやFCVの水素ステーションといった交通インフラの整備も社会的に求められており、こちらでも使用コネクタ数の増加が予想されます。

さて、このようにEV/FCVといった次世代自動車の車載電装化が進めば、自動車自体におけるコネクタの実装だけでなく、電子部品が搭載された自動車のシステムを検査するためのプロセスも重要になっています。ここからは、電気的な検査を実施する自動システムに最適なコネクタとして、以前にご紹介したODU社の「DOCKシリーズ」について紹介したいと思います。

このDOCKシリーズ【★写真1】は、特に自動車工場での自動着脱システムのアプリケーションに最適なコネクタです。振動・衝撃・スパッタなどに強く、環境的にシビアな現場でも耐えられるヘビーデューティ仕様になっています。ハウジングは、堅牢なアルミダイキャストで、嵌合時にはIP65にも対応しています。

【★写真1】検査工程などの自動着脱システムに最適なコネクタODUの「DOCKシリーズ」。「スプリングワイヤ・コンタクト」により、10万回以上という驚異的な耐久性を実現。

さらに重要な点は、高信頼性の接触を維持でき、複数の検査工程や大電流を使った製造ラインに利用できるメリットがあること。なんといっても、ODU独自の「スプリングワイヤー・コンタクト」が採用されいる点が一番の特徴でしょう。10万回以上という驚異的な耐久性を有し、何度も繰り返される自動着脱に対応できるロングライフ構造なのです。そのため海外ではベンツやBMWなどの自動車工場でも用いられています。

EV化の進展が予想される自動車製造業の検査システムや製造用ロボットなど、さまざまなシーンで幅広く利用できます。ぜひ一度、DOCKシリーズをご検討していただければ幸いです。