2017 .5.31

滅菌処理に耐えられるコネクタを選ぶ!

オートクレーブ対応コネクタとは何か?

今回は、医療用として利用される「オートクレーブ対応コネクタ」についてご紹介したいと思います。

当然のことですが、医療用で使う機器は清潔でなければなりません。そこでコネクタ類も滅菌して使われることになります。一般的にコネクタを消毒するには、蒸気、熱風、(過酸化水素)プラズマによる滅菌、薬品を使って細菌を殺すケミクレーブ、ホルムアルデヒドや酸化エチレンガスを流通させて殺滅するEOG、ガンマ線の照射で滅菌する放射線滅菌など、さまざまな方法があります。

これらのうち、医療関係で最も手軽に利用されている標準的な滅菌方法として、高圧蒸気を使って滅菌する「オートクレーブ」があります。この方式は、安全性が高く、安価に処理できるため、幅広く使われています。たとえば、歯科用の器具や内視鏡などの滅菌としても多くの実績があります。

オートクレーブは、ドイツの規格「DIN EN 13060:2014」(小型蒸気滅菌)において、そのテスト方法が規定されています【★写真1】。この滅菌のプロシージャは「換気」(Ventilation)→「加圧」(Increase of pressure)→「滅菌」(Sterilization)→「乾燥」(Drying)という4つのプロセスから成ります。

【★写真1】ドイツの「DIN EN 13060:2014」(小型蒸気滅菌)において、オートクレーブのテスト方法を規定。上図のような4つのプロセスで滅菌する。

具体的には、換気工程において2回の加圧と減圧を繰り返し、加圧しながら温度を上昇させ、滅菌工程で134℃(5分間)、121℃(15分間)の高温で菌を殺します。その後、減圧しながら空気を抜き、乾燥させます。

オートクレーブの課題は、このような処理において、コネクタがヒートショックや圧力の変化に耐えられず、損傷する恐れがあることです。コネクタのハウジングが金属で、内部の接点をガラスでポッティングしているため、高温時に膨張率の異なる材質同士でクラックが生じることがあります

そこでODUでは、オートクレーブの処理に耐えられる専用コネクタとして「ODU MINI-SNAP」【★写真2】と「ODU MEDI-SNAP」【★写真3】をご用意しています。

【★写真2】オートクレーブ対応の「ODU MINI-SNAP」。メタル製とプラスチック製(PEI)のハウジングを用意。計200回までの利用を保証。

【★写真3】オートクレーブ対応の「ODU MEDI-SNAP」。
IP50の非防水型と、IP68まで対応する防水型を用意している。

両製品とも、プッシュプル・ロッキング機構【★写真4】を採用したミニチュア・シリンダ型コネクタです。プラグコネクタをレセプタクルコネクタに押し込むだけで、手の入りにくいような場所でも、簡単にコネクタを接続できます。シンプルな構造ですが、信頼性の高い勘合が可能です。

【★写真4】
Cプッシュプル・ロッキング機構。プラグコネクタをレセプタクルコネクタに押し込むだけで、簡単にコネクタを接続できる。

MINI-SNAPは、メタル製ハウジングのほか、プラスチック製のハウジング製品が用意されています。プラスチックの材質は、医療用機器に適したPEI(ポリエーテルイミド)樹脂で、感電事故の危険もなく、計200回までの利用を保証しています。MINI-SNAPには、IP50の非防水型(Lシリーズ)と、IP68(Kシリーズ)までの防水型がありますが、防水タイプのほうがコストがかかります。

そこで弊社では、特に防水型が必要でないシーンでは、非防水型をお勧めしています。よく誤解される点は、非防水型だとオートクレーブができないのでは? と思われることです。しかし水が浸入しても、乾燥させればオートクレーブに対応できます。その場合は、お客様のほうでプラグ側のコネクタピンと電線の接点にシリコンをポッディングして、錆を防止するようにしてください。

一方、MEDI-SNAPもプラスチック製ハウジングですが、非防水型のIP50(標準)のほかに、防水型のIP64、IP67も用意しています。使用温度範囲は-40 ℃~+120℃ですが、短時間のオートクレーブ時には+140℃まで対応し、計500回の利用が可能です。

このようにODUでは、医療用に利用できるオートクレーブ対応の特殊コネクタを数多くご用意しています。滅菌処理でお困りの方は、ぜひご検討ください。

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