2026 .7.30
Moxaのシングルペアイーサネットで真に統合された産業用ネットワークを構築

シングルペアイーサネットとは?
シングルペアイーサネット(SPE)は、単一のツイストペアケーブルを用いてデータと電力の両方を伝送することで、イーサネット接続の簡素化を目的とした新しい物理層技術です。従来のマルチペア配線と比較し、SPEは配線要件を軽減し、設置作業を効率化します。さらに、SPEはIEEE 802.3cg、802.3bw、802.3bp、802.3chなどのさまざまな規格に対応しており、距離に応じて異なる速度での伝送を可能にします。これらの機能により、SPEは幅広い産業用途に適しており、エッジのフィールドデバイスを上位ネットワークに接続することで、真に統合された産業用ネットワークを実現します。
シングルペアイーサネットの主な特長
2線式イーサネット SPEのシングルツイストペアケーブル設計は、材料費を削減し、設置作業を簡素化することで、貴重な時間とリソースを節約できます。 |
長距離伝送 最大1,000m(10BASE-T1L)の距離でさまざまな伝送速度に対応しており、多様な産業用途に活用できます。 |
電力およびデータ Power over Data Line(PoDL)と呼ばれる機能により、単一のツイストペアケーブルを介して電力とデータを伝送することで、産業環境において専用の電源ラインを不要にします。 |
DXを促進するシングルペアイーサネット
急速に変化する産業環境において、SPEはDXを推進し、産業用IoT(IIoT)を発展させる上で極めて重要な役割を果たしています。SPEはデジタル技術を産業用ネットワークにシームレスに融合させ、効率性、柔軟性、拡張性に革命をもたらしています。
SPEは、シングルツイストペアケーブルと長距離接続を活用することで、従来のイーサネットの到達範囲と柔軟性を拡大し、Industry 4.0に変革をもたらしています。この革新技術は、プロセス計測機器などの産業用エッジデバイスを接続するだけでなく、デジタル技術を製造プロセスにシームレスに統合します。
SPEは接続性を向上させるだけでなく、さまざまな産業用イーサネットプロトコルをサポートする統合ネットワークの構築を可能にし、幅広い互換性を確保するとともに、特定の通信ニーズを満たします。SPEは、エッジから上位のイーサネットネットワークに至るまで、産業用デバイスをイーサネットで接続できるようにすることで、産業運用におけるリアルタイム監視、予知保全、およびデータドリブンな意思決定を実現します。
シングルペアイーサネットが活躍するアプリケーション
より効率的で信頼性の高い通信を可能にするSPEは、産業プロセスの変革において極めて重要な役割を果たす新興技術です。監視機能の強化から制御の効率化に至るまで、さまざまなメリットを備えたSPEは、産業用途において大きなメリットをもたらします。ここでは、SPEが産業用ネットワークをどのように変革できるか、例をいくつかご紹介します。
自動車

急速に変化する自動車製造業界は、コストの上昇、車両重量の増加、コネクティビティへの需要の高まり、そして安全性と信頼性のさらなる向上といった、数多くの課題に直面しています。シングルペアイーサネットは、単一のツイストペアケーブルだけで配線を簡素化し、軽量化を実現し、データ伝送を改善し、システムの安定性を確保することで業界に革新をもたらしています。この革新的な技術により、メーカーはオペレーションの合理化や効率の向上を図るとともに、先進運転支援システムや自動運転機能の統合を可能にします。
プロセスオートメーション

SPEは、単一のツイストペアケーブルで10BASE-T1Lに基づいた、最大1,000mの堅牢かつ高速なデータ伝送を実現し、プロセスオートメーションに変革をもたらしています。こうした産業用アプリケーションは、危険な環境や電磁干渉(EMI)の強い場所で稼働することがありますが、そのような場合には、最適な性能を確保するために適切なシールドおよびグラウンド技術を検討することが重要です。SPE向けの堅牢な物理層技術であるAdvanced Physical Layer(Ethernet-APL)は、厳しい安全基準を満たしており、過酷で危険な環境においても信頼性が高く安全な通信を実現します。
ビルディングオートメーション

ビルディングオートメーションシステムでは、複雑な配線や拡張性の制限、統合の難しさ、データ管理上の課題、エネルギー効率の低さ、セキュリティ上の懸念などが問題となることがあります。SPEは、HVACシステム、セキュリティネットワーク、データ収集用のセンサやコントローラなどのIoTデバイスを含め、エッジとクラウドをシームレスにつなぐ統合ネットワークに多様なアプリケーションを統合することで、これらの課題に対処します。これにより、SPEはビルディンオートメーションの近代化や、効率の向上、コスト削減、サステナビリティの実現において、不可欠なソリューションとなります。
ファクトリーオートメーション

ファクトリーオートメーションの現場において、拡張性の限界、統合の難しさ、複雑な配線はよく見られる一般的な課題です。SPEは、単一のツイストペアケーブル設計を採用することで、配線の複雑さとコストを低減しつつ、信頼性の高い高速通信を実現します。この技術により、製品の品質維持や規制順守に不可欠なリアルタイムの監視および制御が可能となります。
シングルペアイーサネットに関するよくある質問
SPE技術の普及が進むにつれ、その機能、用途、メリットについて多くの疑問が寄せられています。このFAQセクションでは、SPEに関するよくある質問にお答えします。
●シングルペアイーサネットと従来のマルチペアイーサネットの違いは何ですか?
SPEは、単一のツイストペア配線を採用した新しいイーサネット物理層技術であり、マルチギガビットの通信速度と最大1,000m長距離接続を実現します。従来の銅線イーサネットは複数のペア(4本または8本の導線)を使用しており、より高速ですが、最大伝送距離は100mと短くなっています。SPEは軽量な設計と長距離伝送が可能であるため、産業用アプリケーションにおいてコスト効率に優れた選択肢となります。一方、より高い帯域幅を提供する従来の銅線イーサネットは、オフィスネットワークやデータセンターに適しています。
●シングルペアイーサネットと既存のフィールドバスの違いは何ですか?
フィールドバスは従来のタスクにおいて信頼性が実証されていますが、相互運用性の制限、高コスト、低データレートといった課題があり、上位のITネットワークとの間にデジタル上の障壁を生み出しています。また、将来的なニーズへの対応能力も限られています。物理層技術としてのSPEは、イーサネットを産業用アプリケーションに直接統合するものです。プロトコルに依存しない点、リアルタイムデータ伝送、使いやすさ、コスト効率といったメリットを備えたSPEは、産業用IoT(IIoT)やIndustry 4.0アプリケーションの可能性を最大限に引き出すことができます。
●シングルペアイーサネットは危険な環境で使用できますか?
危険環境とは、爆発性雰囲気を生成する可能性がある場所であり、特定の条件下で可燃性ガス、蒸気、または粉塵が発火する恐れがある場所を指します。このような環境に導入されるネットワークには、発火を防止し、運用上の安全性を確保するための専用の機器が必要となります。
Ethernet-APLは、危険な環境へのSPEの導入を可能にする高度な物理層技術です。10BASE-T1L規格をベースとしており、防爆仕様が施された単一のツイストペアケーブルを介して、データと電力の両方を伝送します。これらの特長により、Ethernet-APLは危険な環境での使用に極めて適しています。
●PoDLはSPEにおいてどのような役割を果たし、産業分野での導入にどのような影響を与えていますか?
SPEにおけるPower over Data Line(PoDL)は、単一のツイストペアケーブルでデータと電力の同時伝送を可能にします。この機能により、配線の複雑さ、資材費、設置時間を大幅に削減し、産業用デバイスの導入を簡素化します。また、コンジットやキャビネット内の貴重なスペースを節約できるほか、何よりも重要なのが、電源線を別途敷設せずに遠隔地やアクセスしにくい場所にあるデバイスに電力を供給することができます。
●SPEとTime-Sensitive Networking(TSN)技術の関係はどのようなものですか?
SPEは物理層技術ですが、Time-Sensitive Networking(TSN)はより上位のネットワーク層で動作し、高精度な時刻同期やトラフィックスケジューリングといった、リアルタイム性を実現するための決定論的なメカニズムを提供します。これらは技術的なレベルで互換性があり、産業用ネットワークにおけるエンドツーエンドのリアルタイム通信を実現する、将来のSPE-TSN統合ソリューションへの道を切り開くものです。
シングルペアイーサネットをより理解するために
こちらの動画では、TSN、SPEおよびイーサネット-APLが、現代の製造業における産業用ネットワークにどのような変革をもたらしているかをご紹介していますので、ぜひご覧ください。
MoxaのSPEスイッチTWS-3010-SPEシリーズ
8 x 10MbE-SPE、2 x 1GbEポート PoDL付きマネージドイーサネットスイッチ
主な特長
• 8つのシングルペア イーサネット 802.3cg 10Base-T1Lポート搭載
• 各SPEポートでPoDL電力クラス10、11、12をサポート
• コンパクトサイズで簡単設置
• EtherNet/IP、PROFINET、Modbus TCP産業用プロトコルに対応
▶データシートをダウンロードする ※会員登録 (無料) が必要です。
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