2025 .3.5

上下水道監視におけるセルラーIIoTゲートウェイの活用

 

上下水道管理は華やかなものではないかもしれませんが、私たちの日常生活に欠かせない最も重要なサービスの一つです。私たちは普段、どのように上下水道サービスがなされているか考えることはないかもしれませんが、蛇口をひねったり、シャワーを浴びたり、トイレを流したりするたびに発生する下水や廃水は、家庭や道路に流れ込まないように処理施設に運ばれ、処理されてから再び環境に戻されています。

 

水がパイプを流れる物理的な仕組みは、全体像の一部に過ぎません。給水および処理サービスでは、漏水や腐食、詰まりを防止し、修復するために何千キロものパイプラインの状態を常に監視する必要があります。問題が報告されると、漏水やその他の問題を検出し特定するためにエンジニアが派遣されるのが一般的です。しかし、遠隔地の漏水している水道管を短時間で調査し修理することは困難であり、メンテナンスと修理に数日かかることがほとんどで、その間に水や廃水が環境に漏れてしまう可能性もあります。

 

IIoTベースのインテリジェントな遠隔監視ソリューション

ある自治体の水道管理会社は、上下水道の漏水やパイプラインの腐食、下水の詰まりを迅速に防止および修復するために、IIoTベースのインテリジェントリモート監視ソリューションを構築することにしました。リモートI/Oデバイスがパイプラインシステム全体のさまざまな場所に配置され、何千もの温度、圧力、流量、PHセンサからデータを収集しました。各リモートI/Oデバイスは、イーサネット通信を介してIIoTエッジゲートウェイにデータを送信します。屋外のキャビネットに設置されたIIoTゲートウェイは、セルラーネットワークを介してプライベートクラウドサーバ上のリモート監視システムにデータを送信します。

 

過酷な環境および小型キャビネットに適した設計

IIoTエッジゲートウェイは過酷な環境条件に晒され、小型のソーラーパネルで電源供給される小さな屋外制御キャビネットに設置されるため、コンパクトサイズ、広い動作温度範囲および低消費電力といった特長を備えたMoxaのArmベース Linux IIoTゲートウェイUC-8100A-ME-Tシリーズは、このプロジェクトに最適です。Moxaのソリューションでは、リモートI/Oデバイス ioLogik E1200シリーズがシリアルI/Oフィールドセンサデータを収集し、信号をModbus TCPに変換し、ModbusデータをUC-8100A-ME-Tに送信します。1 GHzのArmベースのプロセッサと1 GBのRAMを搭載したエッジゲートウェイは、わずか10 Wの消費電力でデータを十分に処理することができます。もう1つの重要なメリットは、ゲートウェイが統合されたセルラーLTE接続を提供することです。これにより、セルラーゲートウェイを追加する必要がなく、導入コストと貴重なキャビネットのスペースを節約することができます。さらに、Moxaは事前に構築されたAPIとセルラー管理ユーティリティも提供しており、システムインテグレータはデータ接続をゼロから開発する必要がなく、労力を削減できます。

 

これらのIIoTソリューションにより、この水道管理会社は分散された水道管システムの多数の拠点から中央のSCADAシステムにリアルタイムデータを確実に送信でき、プライベートクラウドにホストされているダッシュボードを通じてパイプラインの状態をリモートで監視することが可能になりました。その結果、漏水や腐食、閉塞しているパイプラインの検出および修復にかかる時間を節約することができました。

 

MoxaのセルラーIIoTゲートウェイに興味をお持ちの方は、弊社までお気軽にお問い合わせください。

 

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2ポートイーサネットスイッチ イーサネット

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